看護師・保育士からサビ管になるには?
経験の数え方と児発管との分岐
看護師と保育士では、実務経験に使う経路が違います。看護師は告示の23資格に入ります。相談支援または直接支援3年と、資格に基づく業務3年で要件を満たせます。
保育士は23資格に入りません。代わりに社会福祉主事任用資格者等の側に入り、直接支援の業務を通算5年で数えられます。資格のない人の8年にはなりません。
ただし保育所は、サビ管の対象施設に挙げられていません。保育所の経験が長い人は、保育所を対象に含む児発管の要件も比べてください。
- 看護師・准看護師
- 3年+3年の経路(23資格に含まれる)
- 保育士
- 直接支援を通算5年(社会福祉主事任用資格者等)
- 保育所での勤務
- サビ管の対象施設に挙げられていない
- 児発管の国家資格の経路
- 3年+5年(サビ管より資格側が2年長い)
目次
看護師と保育士は、障害福祉の現場で人数の多い資格です。ところがサビ管の実務経験では、この2つの資格の扱いがはっきり分かれます。ここでは告示の原文から、資格ごとの経路と年数の数え方を整理します。
看護師はどの経路になるか
看護師は告示の23資格に入るため、相談支援または直接支援3年と資格に基づく業務3年の経路になります。
告示は、国家資格を使う経路の資格を23個名指ししています。医師、保健師、助産師、看護師、准看護師と、医療系の資格はひととおり入っています。この経路の年数は、次の2つの組み合わせです。
- 相談支援または直接支援の業務が通算3年以上
- 資格に基づく業務が通算3年以上
看護師として病院で働いた期間は、資格に基づく業務に当たります。ここまでは迷いません。問題は、もう片方の3年です。
病院・診療所は、対象の職場として告示に挙がっています。直接支援の側では、病院・診療所・薬局・訪問看護事業所が名指しされています。相談支援の側にも病院・診療所の枠がありますが、こちらは条件つきです。次のいずれかに当たる人に限られます。
- 社会福祉主事任用資格を持つ人
- 相談支援の基礎的な研修を修了するなどした人
- 23の国家資格のどれかを持つ人
- 他の対象職場での従事期間が1年以上ある人
看護師は3つ目に当たるので、この条件は満たせます。
それでも、病棟の期間がそのまま入るとは限りません。数えられるのは、直接支援または相談支援の業務に従事した期間だからです。直接支援の業務は、入浴・排せつ・食事などの介護や、生活動作の指導、訓練などと定義されています。診療の補助が中心だった期間をどう見るかは、都道府県で判断が分かれます。実務経験証明書の業務内容の欄で判断されるので、職場と期間だけでは決まりません。
保育士はどの経路になるか
保育士は23資格に入らず、社会福祉主事任用資格者等として直接支援の期間を通算5年で数えます。
「保育士だから国家資格の経路」と考えると、ここでつまずきます。告示の23資格に、保育士は入っていません。
代わりに告示は、直接支援の業務の区分の中で保育士を名指ししています。社会福祉主事任用資格者や児童指導員任用資格者と同じ、「社会福祉主事任用資格者等」という束です。この束に入る人が直接支援の業務に従事した期間は、相談支援の業務と合算して通算5年で数えられます。資格のない人は8年ですから、保育士であることで必要な年数が3年短くなります。
ただし、どこで働いた期間でもよいわけではありません。直接支援の対象職場は、告示が名指しで挙げています。
- 障害者支援施設、障害児入所施設、老人福祉施設など
- 障害福祉サービス事業、障害児通所支援事業(児童発達支援・放課後等デイサービスなど)
- 病院、診療所、薬局、訪問看護事業所
- 特例子会社などの障害者雇用の事業所
- 特別支援学校
保育所は、この一覧に挙げられていません。幼稚園も同じです。「その他これらに準ずる施設」と都道府県知事が認める余地は残りますが、保育所での勤務は数えられない前提で計画を立ててください。千葉県の実務経験一覧も、サビ管の側には保育所を載せていません。
最短で何年かかるか
最短は看護師が3年、保育士が5年で、どの職場の期間を数えられるかによって実際の年数が変わります。
看護師の3年は、資格に基づく業務と直接支援の期間を同じ時期で重ねた場合です。千葉県は、この2つを同時期で算定してよいとしています。扱いは都道府県で違うので、申込先で確かめてください。
| 職歴の例 | 数えられる期間 | 実務経験を満たすまで |
|---|---|---|
| 障害者支援施設や訪問看護で3年介護・訓練に当たる業務 | 直接支援3年 + 資格に基づく業務3年(同じ期間を重ねて算定) | 最短3年重ね方は都道府県の運用による |
| 病棟勤務5年診療の補助が中心 | 資格に基づく業務5年のみ | 直接支援か相談支援の3年が別に必要 |
| 病棟3年 + 障害福祉サービス事業所3年 | 資格に基づく業務3年 + 直接支援3年 | 移ってから3年職歴の通算は6年 |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)/千葉県 実務経験一覧(告示要約版)※1(いずれも2026-08-31確認)。同時期算定と業務内容の判断は都道府県の運用による 原文 ↗
保育士は、対象職場での期間だけを5年まで積み上げます。保育所の期間が入らないぶん、職歴によって差が開きます。
| 職歴の例 | 数えられる期間 | 実務経験を満たすまで |
|---|---|---|
| 児童発達支援・放課後等デイで5年 | 直接支援5年(社会福祉主事任用資格者等として算定) | 5年で到達 |
| 保育所のみ8年 | 数えられる期間なし(保育所は対象施設に挙げられていない) | 対象職場に移ってから5年 |
| 保育所5年 + 児童発達支援3年 | 児童発達支援の3年のみ | あと2年 |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)(二)(2026-08-31確認)。準ずる施設と認められるかは都道府県知事の判断による 原文 ↗
実務経験を満たしても、それだけでは配置できません。基礎研修と実践研修の修了が必要です。基礎研修は、要件に達する2年前から受けられます。研修を含めた全体の流れはサービス管理責任者になるにはにまとめています。
病棟の期間を申請に使う看護師は、証明書の業務内容欄が勝負どころです。業務分担表や看護記録から、介護や生活動作の指導に当たった業務を先に洗い出しておくと、窓口での相談が具体的になります。
保育士は、障害児支援の事業所に入った日が年数の起点になります。入職日と担当業務を手元に控えておくと、証明書の依頼で迷いません。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
児童分野の人は児発管とどちらが近いか
保育所の経験が長い人は児発管のほうが近く、看護師は3年+3年で済むサビ管のほうが近くなります。
サビ管とよく比べられるのが、児童発達支援管理責任者(児発管)です。障害児の通所支援や入所支援で計画を作る職で、役割の形はサビ管とよく似ています。要件は別の告示で定められていて、対象施設と年数が違います。
児発管の告示は、直接支援の対象施設に保育所を含めています。乳児院や幼保連携型認定こども園などの児童福祉施設も並んでいます。保育士は児発管でも5年の側で数えます。ただし、老人福祉施設や介護老人保健施設など高齢者分野の期間を除いた3年以上が必要という決まりがあります。
看護師は逆です。児発管の国家資格の経路は、相談支援または直接支援の3年に加えて、資格に基づく業務が5年必要です。サビ管の3年より2年長くなります。
| 職歴のタイプ | サビ管 | 児発管 |
|---|---|---|
| 保育士(保育所勤務が中心) | 保育所の期間は対象施設に挙げられていない | 保育所の期間を直接支援として数えられる |
| 保育士(障害児通所支援が中心) | 直接支援を通算5年 | 直接支援を通算5年高齢者分野を除く3年以上を含むこと |
| 看護師 | 相談支援・直接支援3年 + 資格に基づく業務3年 | 相談支援・直接支援3年 + 資格に基づく業務5年 |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)/平成24年厚生労働省告示第230号 第一号・ロ(1)(いずれも2026-08-31確認) 原文 ↗
研修はサビ管と児発管で別立てです。片方を修了しても、もう片方の要件は満たしません。役割や研修の違いまで含めた比較は、次の記事で読めます。
次に読むもの
自分の経路が決まったら、全体の流れと年数の詳しい数え方を確かめてください。
- サービス管理責任者(サビ管)になるには … 実務経験の3経路と研修の順番
- サビ管の実務経験の数え方 … 対象職場の一覧表と180日換算
- サビ管と管理者・サ責・ケアマネ・児発管の違い … 5職種の比較表と児発管の詳しい要件
よくある質問
実務経験証明書のテンプレートと書き方
実務経験証明書のひな形(Word・PDF)に、項目ごとの記入例と、退職した職場への依頼文例を添えています。
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