個別支援計画のモニタリングの書き方
頻度・記入例・見直しの手順まで
モニタリングは、個別支援計画の実施状況を把握し、計画を見直す業務です。計画の作成後に、サービス管理責任者が行うと定められています。
頻度は少なくとも6月に1回以上です。自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、自立生活援助の4サービスでは、3月に1回以上に読み替えます。
利用者や家族との連絡を続け、定期的に面接して、結果を記録します。見直しの結果、計画を変更するときは、アセスメントから交付までの手順を繰り返します。
- 行う人
- サービス管理責任者
- すること
- 実施状況の把握、定期的な面接、結果の記録、計画の見直し
- 頻度
- 少なくとも6月に1回以上(4サービスは3月に1回以上)
- 計画を変更するとき
- アセスメントから交付までの手順を繰り返す
- 怠ると
- 個別支援計画未作成減算の対象になり得る
目次
モニタリングは、個別支援計画を作ったあとに必ず回ってくる業務です。ところが、頻度と記録の決まりを条文で確かめたことがある人は多くありません。ここでは頻度、記録の書き方、計画への反映までを、指定基準の原文から整理します。
モニタリングとは何をすることか
モニタリングは、個別支援計画の実施状況を把握し、必要に応じて計画を見直す業務です。
行うのはサービス管理責任者です。条文は、実施状況の把握に、利用者についての継続的なアセスメントを含めています。計画どおりに支援が動いているかだけでなく、本人の状態や希望の変化まで見る仕事です。
進め方について、条文は2つのことを定めています。
- 定期的に利用者に面接すること
- 定期的にモニタリングの結果を記録すること
あわせて、利用者や家族等との連絡を継続的に行うこととされています。定期的な面接と記録は「特段の事情のない限り」行うものとされ、省略できる場面は例外として書かれています。
位置づけとしては、作成の6段階の最後にあたります。同時に、次の計画に向けたアセスメントの入り口でもあります。アセスメントから交付までの流れは、個別支援計画の書き方にまとめています。
頻度はどれくらいか
頻度は少なくとも6月に1回以上で、4つのサービスでは3月に1回以上に読み替えます。
| サービス | 見直しの周期 | 根拠 |
|---|---|---|
| 療養介護・生活介護 | 少なくとも6月に1回以上 | 第58条第9項/第93条で準用 |
| 就労継続支援A型・B型 | 少なくとも6月に1回以上 | 第197条・第202条で準用 |
| 共同生活援助 | 少なくとも6月に1回以上 | 第213条で準用 |
| 就労定着支援 | 少なくとも6月に1回以上 | 第206条の12で準用 |
| 自立訓練機能訓練・生活訓練とも | 少なくとも3月に1回以上 | 第162条・第171条で「六月」を「三月」と読み替え |
| 就労移行支援 | 少なくとも3月に1回以上 | 第184条で「六月」を「三月」と読み替え |
| 自立生活援助 | 少なくとも3月に1回以上 | 第206条の20で「六月」を「三月」と読み替え |
出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条第9項および各準用規定(2026-08-31確認) 原文 ↗
これは最低限の頻度です。この間隔で見ていれば足りる、という意味ではありません。体調や作業、家庭の状況が変わったときは、周期を待たずに見直します。
周期の起点をどこに置くかまでは、条文に定めがありません。数え方の細部は指定権者の運用で違いがあります。前回の交付日から数えて上限を超えない置き方にしておけば、どの数え方でも外しません。
何を書くのか
様式の定めは無いため、計画の目標ごとに達成状況・本人の言葉・次の対応を書くのが基本です。
条文が求めているのは、定期的に記録することそのものです。項目や様式は決めていません。ただ、モニタリングは計画の見直しにつなぐための業務です。次の3つがそろっていれば、見直しの判断がそのままできます。
- 目標ごとの達成状況(できた・できないを、行動の事実で書く)
- 本人の言葉(面接で話したことを、かぎかっこのまま残す)
- 次の手当て(支援を続けるか、変えるか。変えるなら何を変えるか)
以下の記入例は、いずれも架空のものです。実在の利用者・事業所とは関係ありません。
記入例1:目標に近づいている場合
短期目標が「週3日、午前の作業に開始時刻から参加する」の利用者を想定します。まず悪い例です。
- 達成状況:おおむね良好。引き続き頑張ってもらいたい
「おおむね良好」では、達成したかどうかを誰も判定できません。次の計画をどう変えるのかも、ここからは決められません。同じ利用者を、良い例で書き直します。
- 達成状況:直近3か月の通所は週2〜3日。開始時刻からの参加は12回中9回。欠席の翌日は通所できている
- 本人の言葉:「朝は起きられるようになった。週4日にしてもやれる気がする」
- 次の手当て:短期目標を週4日に引き上げる方向で計画の変更を検討する。毎朝の電話確認は、本人と相談して終了する
目標の数字と実績の数字が並んでいるので、達成の判定がそのままできます。本人の言葉が根拠になって、次の目標の水準も決まります。
記入例2:達成できていない場合
- 達成状況:新しい工程(シール貼り)は、声かけなしでは途中で手が止まる。12月から欠席が増え、月の通所は8日
- 本人の言葉:「新しい作業は難しい。前の作業のほうが安心する」
- 次の手当て:工程の練習をいったん止めて、慣れた作業に戻す。目標の達成時期を3か月延ばす方向で計画の変更を検討する
達成できていないときほど、記録の価値が出ます。うまくいかなかった事実と本人の言葉が残っていれば、次の計画は思いつきではなく根拠から立てられます。
評価できる目標の立て方そのものを直したいときは、個別支援計画の記入例・文例集を見てください。
面談はどう進めるか
面談は、計画に書いた目標を1つずつ確かめる形にすると、短い時間でも記録まで届きます。
条文が求めているのは定期的な面接で、時間や場所、進め方の決まりはありません。ただ、近況の雑談だけで終わると、記録に書けることが残りません。計画を間に置いて話すのがこつです。
面談の前に、目標ごとの実績(通所日数や作業の記録)を支援員から集めておきます。面談の場では数字の確認に時間を使わず、本人がどう感じているかを聞くことに充てられます。
本人の言葉は、その場でかぎかっこ付きのメモにします。面談の終わりに、計画をどう変えようと考えているかを口頭で伝えておくと、変更時の説明と同意が進めやすくなります。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
結果を計画にどう反映するか
見直しの結果、計画を変更するときは、アセスメントから交付までの手順をもう一度たどります。
条文は、計画の作成手順を定めた規定を、計画の変更にそのまま準用しています。原案を作り、会議で意見を求め、説明して文書で同意を得て、交付するところまで同じです。日付と期間だけを書き替える進め方は、この準用と合いません。
変更しない判断もあります。見直した結果、今の計画を続けると決めたときは、その判断と理由を記録に残します。記録が無いと、見直しをしていない状態と区別が付かなくなります。
モニタリングを怠るとどうなるか
面接や記録を欠いた状態が続くと、該当する利用者について報酬の減算につながり得ます。
個別支援計画未作成減算は、計画が無い場合だけの減算ではありません。留意事項通知は、計画の作成に係る一連の業務が適切に行われていない場合も対象に挙げています。モニタリングは計画の条文に定められた業務なので、面接や記録を欠いた状態は、この一連の業務を欠く状態に当たり得ます。
減算の幅は、該当する期間が3月未満なら所定単位数の100分の70、3月以上なら100分の50です。対象になるのは該当する利用者だけで、全利用者には及びません。期間の数え方と計算例は、個別支援計画未作成減算の記事にまとめています。
減算だけの話でもありません。実地指導では、計画と支援記録とモニタリング記録の突き合わせが定番です。周期どおりの記録が残っているかを、年に1回は自分の側で棚卸ししておくと安心です。
次に読むもの
モニタリングの前後の工程は、それぞれ別の記事にしています。
- 個別支援計画の書き方 … アセスメントから交付までの6段階と、同意・交付の決まり
- 個別支援計画の記入例・文例集 … 評価できる目標の書き方と文例
- 個別支援計画未作成減算 … 減算幅と期間の数え方、対象になる利用者
よくある質問
個別支援計画の文例集(B型・グループホーム・生活介護)
長期目標・短期目標・支援内容の文例を、成人系のサービス3種類ぶん集めています。そのまま写さずに使うための考え方も添えています。
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