サビ管の「これで合っているか」に答えます

個別支援計画未作成減算とは?
3か月ルール・減算幅・対象者を正確に

最終更新制度基準日
執筆:徳永 崇志(就労継続支援B型事業所の運営者)
初回公開
要点

個別支援計画が作成されていない利用者の報酬は、その状態に該当する月から減算されます。割合は、3か月未満の月が所定単位数の70%、3か月以上の月が50%です。

対象は、計画が作成されていない利用者だけです。事業所の利用者全員が対象になるサビ管欠如減算とは、範囲が違います。

減算は、状態が解消された月の前月まで続きます。計画を作成した月は、通常どおり算定します。翌々月からといった猶予はありません。

始まる月
計画がない状態に該当した月(猶予なし)
減算の1〜2か月目
所定単位数の70%を算定
減算の3か月目以降
所定単位数の50%を算定
終わる月
解消された月の前月まで(計画を作成した月は通常算定)
減算の対象
計画が作成されていない利用者だけ・加算前の単位数
制度基準日2026.08.31
根拠:平成18年厚生労働省告示第523号 別表/留意事項通知(障発第1031001号)第二の1の(10)
目次

個別支援計画が作成されていない利用者の報酬は、減算されます。サビ管欠如減算と混同されやすいのですが、対象も期間の数え方も別の制度です。ここでは、いつから、いくら、誰の分が減算されるのかを、告示と通知の原文から整理します。

どんなときに減算になるのか

減算になるのは、サビ管の指揮の下で計画が作成されていないときか、作成の一連の業務が適切に行われていないときです。留意事項通知が、この2つを減算の理由に挙げています。

  • サービス管理責任者による指揮の下で、個別支援計画が作成されていないこと
  • 指定基準に定められた、個別支援計画の作成に係る一連の業務が適切に行われていないこと

見落とされやすいのは2つ目です。計画の書面があっても、手順が欠けていれば減算の対象になります。一連の業務には、アセスメントの面接から、原案、担当者会議、文書による同意、交付、モニタリングまでが入ります。

この減算の対象として、通知は次のサービスを挙げています。

  • 療養介護、生活介護、施設入所支援
  • 自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)
  • 就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型
  • 就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助

サビ管欠如減算と違い、施設入所支援も対象に入っています。

減算幅と期間はどうなるか

減算は該当する月から始まり、2か月目までは所定単位数の70%、3か月目からは50%で算定します。70%も50%も、引かれる幅ではなく残る割合です。

割合をかける相手は、加算を足す前の単位数です。加算を含めた合計に70%をかけるのではありません。

欠如減算にある猶予は、この減算にはありません。翌々月まで待つ扱いも、翌月末までに解消すれば減算されない扱いも置かれていません。

終わりは、解消された月の前月までです。計画を作成した月は、通常どおり算定します。

4月に未作成となり、8月に計画を作成した場合の計算例
算定される単位数数え方
4月所定単位数の70%減算の1か月目。該当する月から始まる
5月所定単位数の70%減算の2か月目
6月所定単位数の50%減算の3か月目。3か月以上になり50%に変わる
7月所定単位数の50%減算の4か月目。解消された月の前月まで続く
8月減算なし計画を作成した月。この月から通常の算定に戻る

出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第523号 別表の注/留意事項通知 第二の1の(10)(2026-08-31確認) 原文 ↗

同じ「解消」でも、欠如減算は解消された月まで減算が続きます。未作成減算は前月で終わるので、終わり方が1か月分違います。ここを取り違えると、自主点検や返還の計算がずれます。

誰の分が減算されるのか

減算されるのは計画が作成されていない利用者の分だけで、事業所の利用者全員ではありません。通知は「該当する利用者につき」減算すると定めています。

たとえば利用者20人のうち2人の計画が切れていた場合、減算されるのは2人分の報酬だけです。残る18人分は通常どおり算定します。

ただし、範囲が狭いからといって軽い話ではありません。サビ管が欠けたまま放置すると、全員の計画が順に期限を迎え、該当する利用者が増えていきます。

サビ管欠如減算とどう違うのか

違いは4つあり、対象の範囲、始まる月、終わる月、割合が変わる時期のすべてで扱いが異なります。名前が似ているだけで、条文の置き場所も別です。

個別支援計画未作成減算とサビ管欠如減算の違い
比べる点個別支援計画未作成減算サビ管欠如減算
減算の対象計画が作られていない利用者だけ事業所の利用者全員
始まる月計画がない状態になった月欠如した月の翌々月
終わる月解消された月の前月欠如が解消された月
割合3か月未満70%/3か月以上50%4か月目まで70%/5か月目から50%

出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第523号 別表/同告示第550号/留意事項通知 第二の1の(8)・(10)(2026-08-31確認) 原文 ↗

2つは同時に起きることがあります。サビ管が欠ければ、計画の作成や見直しも止まるためです。欠如減算の側の猶予やみなし配置の扱いは、サビ管欠如減算にまとめています。

防ぐにはどう運用するか

防止の要点は、利用者ごとの計画の期限を一覧にして、期限が来る前に一連の手順を終わらせておくことです。計画は作って終わりではなく、少なくとも6か月に1回以上の見直しが定められています。

新規の利用者も落とし穴になります。支援は計画に基づいて行うものなので、利用開始の時点から計画が要ります。契約が月末に集中すると、面接と会議の日程が間に合わなくなりがちです。

実務ではこう組めます

利用者ごとに、利用開始日、同意日、交付日、次の見直し期限の4つを1枚の台帳に並べます。月初にこの台帳を開き、翌月と翌々月に期限が来る利用者を拾い出せば、面接と会議の日程を先に押さえられます。

日付の順序も一緒に点検します。アセスメント、同意、交付の順に日付が並んでいない記録は、書面があっても手順の裏づけになりません。作成のたびに台帳の日付欄を埋めながら、順序まで確かめると漏れが出にくくなります。

※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。

見直しの周期と期限の数え方は、モニタリングの進め方で扱っています。

よくある誤解はどこか

いちばん多い誤りは、この減算の仕組みが入った時期を令和の改定に置く説明です。70%と50%の2段階になったのは、平成30年度の報酬改定からです。

それより前は、所定単位数の95%で算定する減算でした。導入の年度を新しく書き替えただけの解説は、そこで根拠が切れています。

次に、「3か月」を猶予と読む誤りがあります。3か月は割合が70%から50%に変わる区切りで、待ってもらえる期間ではありません。減算は該当する月から始まります。

もう1つは、対象を利用者全員と読むものです。全員が対象になるのは欠如減算のほうで、未作成減算は該当する利用者だけです。

次に読むもの

先に押さえるべきは、減算の入り口になる計画作成の手順そのものです。

よくある質問

Q. 個別支援計画がないと、いつから減算されますか?
A. 計画が作成されていない状態に該当する月から減算されます。欠如減算のような翌々月からの猶予はありません。減算は状態が解消された月の前月まで続きます。計画を作成した月は通常どおり算定します。
Q. 何%引かれますか?
A. 減算の2か月目までは30%、3か月目からは50%引かれます。告示は残る割合で書いていて、作成されていない期間が3か月未満の月は所定単位数の70%、3か月以上の月は50%です。かける相手は加算を足す前の単位数です。
Q. 利用者全員の報酬が減算されますか?
A. いいえ、計画が作成されていない利用者の分だけです。利用者全員が対象になるのはサビ管欠如減算です。2つの減算は対象も期間の数え方も違うので、分けて確かめてください。
Q. 計画の書面があれば減算されませんか?
A. 書面があっても、作成の手順が欠けていれば減算されます。通知は、作成に係る一連の業務が適切に行われていない場合も減算の理由に挙げています。アセスメントの面接、文書による同意、交付、モニタリングまでが手順に入ります。
この記事の根拠資料
最終確認:2026.08.31

この記事の更新履歴

2026.08.31公開
執筆
徳永 崇志

徳永 崇志

就労継続支援B型事業所の運営者

埼玉県志木市で就労継続支援B型事業所「ぽちぽちの道」(事業所番号 1112200454)を運営しています。サービス管理責任者と一緒に働きながら、配置基準や減算の判断に日々向き合っています。

サビ管ラボでは、厚生労働省の告示・通知や都道府県の公式資料にあたって、制度と実務を整理しています。

著者について →
文例集

個別支援計画の文例集(B型・グループホーム・生活介護)

長期目標・短期目標・支援内容の文例を、成人系のサービス3種類ぶん集めています。そのまま写さずに使うための考え方も添えています。

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