サービス管理責任者(サビ管)とは?
仕事内容と1日の流れ・配置の基準
サービス管理責任者(サビ管)は、個別支援計画を作り、事業所の支援の質を管理する職種です。障害福祉サービスの多くで、配置が義務づけられています。
業務は指定障害福祉サービス基準の第58条と第59条に定められています。個別支援計画の作成、アセスメント、モニタリング、従業者への技術指導と助言、関係機関との連携の5つです。
置くべき人数は利用者数で決まります。生活介護や就労継続支援などは利用者60人以下で1人以上、共同生活援助は30人以下で1人以上です。国家資格ではなく、実務経験と研修で満たす任用上の要件です。
- 何をする人か
- 個別支援計画を作り、支援の質を管理する職種
- 業務の根拠
- 指定障害福祉サービス基準 第58条・第59条
- 5つの業務
- 計画作成/アセスメント/モニタリング/技術指導と助言/関係機関との連携
- 計画の見直し
- 少なくとも6か月に1回以上
- 配置人数(日中活動系)
- 利用者60人以下で1人以上(うち1人は常勤)
- 配置人数(共同生活援助)
- 利用者30人以下で1人以上
- 資格の種類
- 国家資格ではない(実務経験と研修による任用要件)
目次
サービス管理責任者は、障害福祉サービスの事業所に置くことが義務づけられている職種です。略して「サビ管」と呼ばれます。何をする人かは、指定基準の条文にはっきり書かれています。ここでは条文の中身と、実際の1日の動き方を並べて整理します。
サビ管とは何をする人か
サービス管理責任者は、個別支援計画の作成を通じて事業所の支援の質を管理する職種です。
配置は事業所の任意ではありません。指定基準は、管理者がサビ管に個別支援計画の作成に関する業務を担当させるものと定めています。条文は療養介護の章に置かれていて、ほかのサービスには読み替えて準用されます。就労継続支援B型なら「就労継続支援B型計画」と読み替えます。どのサービスでも中身は同じです。
サビ管は資格の名前ではありません。実務経験の要件を満たし、研修を修了した人が就ける任用上の要件です。要件の中身はサビ管になるにはにまとめています。
サビ管の仕事は何をするのか
サビ管の業務は、計画の作成、アセスメント、モニタリング、技術指導、関係機関との連携の5つに整理できます。
根拠は指定基準の第58条と第59条です。条文の順に並べると次のようになります。
| 業務 | 条文が求めていること | 根拠 |
|---|---|---|
| 個別支援計画の作成 | 意向、支援方針、課題、目標と達成時期などを書いた原案を作ります。担当者会議で意見を求め、本人か家族に説明し、文書で同意を得てから交付します。 | 第58条第1項・第5項〜第8項 |
| アセスメント面接して行うことが条文上の要件です | 本人の能力、置かれている環境、日常生活全般の状況を評価し、希望する生活や課題を把握します。意思決定が難しい人には、意思と選好を丁寧に把握します。 | 第58条第2項〜第4項 |
| モニタリング | 計画の実施状況を把握し、少なくとも6か月に1回以上、計画を見直します。定期的に本人と面接し、結果を記録することが求められます。 | 第58条第9項・第10項 |
| 従業者への技術指導と助言 | 支援にあたる他の職員に、技術的な指導と助言をします。計画を書くことと並ぶ、条文上の独立した業務です。 | 第59条第1項第3号 |
| 関係機関との連携利用状況の把握を含みます | 利用申込みのとき、他の事業所への照会などで心身の状況と利用状況を把握します。計画の原案には、外部の保健医療サービスや福祉サービスとの連携を位置づけるよう努めます。 | 第59条第1項第1号・第58条第5項 |
出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条・第59条(2026-08-31確認) 原文 ↗
第59条には、もう1つの業務が置かれています。利用者が自立した日常生活を営めるかを定期的に検討し、営めると認められる人には必要な支援を行う、という内容です。
業務の量でいちばん重いのはモニタリングです。少なくとも6か月に1回以上、計画を見直すことが条文で決まっています。利用者が40人いれば、年に80回の見直しが起きる計算になります。ここに新規利用者のアセスメントと計画変更が重なります。
1日はどう流れるのか
サビ管の1日の流れに制度上の定めはなく、計画の期限と会議の日程から逆算して組み立てることになります。
参考として、日中活動系のサービスでよくある形を並べます。次の表は制度の要件ではありません。事業所によって、まったく違う形になります。
| 時間帯 | やっていること | 条文との関係 |
|---|---|---|
| 始業前後 | 支援員との申し送り。前日の記録に目を通し、気になる利用者を拾う | 定めなし |
| 午前 | 作業や活動の場面に入る。様子を見て記録する | アセスメントの材料(第58条第2項) |
| 昼 | 食事の場面を見る。相談が持ち込まれやすい時間帯 | 定めなし |
| 午後前半 | 利用者との面接、計画の原案づくり、担当者会議 | 第58条第4項・第6項 |
| 午後後半 | 相談支援専門員、家族、実習先などへの連絡 | 第59条第1項第1号 |
| 夕方 | モニタリングの記録、期限が近い計画の確認 | 第58条第10項 |
計画を書く時間が午後に寄るのには理由があります。午前は利用者が動いている時間で、アセスメントの材料が集まるからです。逆に午前を事務作業にあてると、書く材料のほうが足りなくなります。
実際には、この形が毎日そのまま回ることは多くありません。急な欠席の連絡、体調の変化、家族からの相談が入ります。
期限のあるものを先に置くと、予定が崩れにくくなります。モニタリングの期限、担当者会議の日程、新規利用者のアセスメントの3つは動かせないので、先に週の予定に埋めてしまいます。
残った時間を支援の場面に使えば、計画に書く材料が自然にたまります。空いた時間で計画を書こうとすると、たいてい期限のほうが先に来ます。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
どのサービスに配置されるのか
サビ管は、個別支援計画を作るサービスに配置が義務づけられ、置くべき人数は利用者数で決まります。
| サービス | 置くべき人数 | 根拠 |
|---|---|---|
| 療養介護/生活介護/自立訓練(機能訓練・生活訓練)/就労移行支援/就労継続支援A型・B型/就労定着支援うち1人以上は常勤 | 利用者60人以下は1人以上。61人以上は、60人を超えて40人またはその端数を増すごとに1人を加えた数以上 | 第50条/第78条/第156条/第166条/第175条/第186条/第199条(第186条を準用)/第206条の3 |
| 共同生活援助(グループホーム)日中サービス支援型・外部サービス利用型も同じ | 利用者30人以下は1人以上。31人以上は、30人を超えて30人またはその端数を増すごとに1人を加えた数以上 | 第208条/第213条の4/第213条の14 |
| 自立生活援助常勤かどうかで基準が変わります | 常勤のサビ管なら利用者60人以下で1人以上。常勤でない場合は30人以下で1人以上 | 第206条の14 |
| 施設入所支援(障害者支援施設)うち1人以上は常勤 | 利用者60人以下は1人以上。61人以上は、60人を超えて40人またはその端数を増すごとに1人を加えた数以上 | 指定障害者支援施設基準 第4条 |
出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)/指定障害者支援施設基準(平成18年厚生労働省令第172号)(2026-08-31確認) 原文 ↗
一方で、サビ管を置かないサービスもあります。
- 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護 … サービス提供責任者を置きます
- 短期入所 … 併設か単独型かに応じた従業者を置きます
- 就労選択支援 … 就労選択支援員を置きます
重度障害者等包括支援は少し特殊です。置くのはサービス提供責任者ですが、その人は、サービス管理を行う者として国が定める要件を満たさなければならないとされています。
児童発達支援や放課後等デイサービスに置くのは児童発達支援管理責任者です。根拠になる省令も要件も別なので、混同しないでください。
どんな人が向いているのか
向いているのは、支援の場面から根拠を拾い、それを計画という一枚の文書に落とし込める人です。
条文が求めている動きを分解すると、必要な力は3つに絞れます。
- 聞く力 … アセスメントは面接して行うと決まっています。本人が話しにくいことを引き出す場面が中心になります
- 書く力 … 計画には意向、支援方針、課題、目標と達成時期を書きます。読んだ支援員が動ける文にする必要があります
- 渡す力 … 従業者への技術指導と助言は条文上の業務です。自分で抱えると、この業務が止まります
支援が上手いことと、サビ管が務まることは同じではありません。自分で手を出したほうが早い場面で、あえて支援員に任せる判断が要ります。
事業所は何を見ているか
事業所にとって、サビ管の配置は基準そのものです。欠ければ報酬が減額され、利用者全員の請求に影響します。だから採用では、まず要件を確かに満たしているかを確かめます。研修の修了証と実務経験証明書は、面接の段階でそろえてもらうことになります。
そのうえで見るのは、支援員に仕事を渡せるかどうかです。計画を1人で抱えると担当者会議が形だけになり、記録が薄くなります。困るのは事業所より先に利用者です。
兼務の扱いも先に決めておく必要があります。のぞみの園の調査では、グループホームのサビ管の76.7%が別の業務を兼務していました。日中活動系のサービスでも、管理者との兼務は珍しくありません。同じ調査では、サビ管と児発管を合わせた集計で、いまの事業所での管理責任者の経験年数は1〜4年が60.1%でした。経験の長い人ばかりではないのが実態です。
どうすればサビ管になれるのか
サビ管になるには、実務経験の要件を満たしたうえで、基礎研修と実践研修を修了します。
実務経験には3つの経路があり、どれか1つを満たせば足ります。相談支援の業務なら通算5年、資格を持たない直接支援の業務だけなら通算8年です。国家資格を持つ人は、相談支援または直接支援が3年以上あり、かつ資格に基づく業務が3年以上あれば要件を満たします。
研修は基礎研修から受けます。基礎研修は、実務経験の年数に達する日まで2年以内になった時点から受けられます。すべての年数を満たすまで待つ必要はありません。
年数の数え方も、対象になる業務の範囲も経路ごとに違います。自分がどの経路に乗るかは、次の記事で確かめてください。
次に読むもの
要件の詳しい中身と、近い職種との線引きは別の記事に分けています。
- サビ管になるには … 実務経験の3つの経路と研修の順番
- サビ管と他職種の違い … 管理者・児発管・相談支援専門員との違い
- 就労継続支援B型のサビ管 … B型の事業所での実際の動き方
よくある質問
実務経験証明書のテンプレートと書き方
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