サビ管の「これで合っているか」に答えます

就労継続支援B型のサビ管の仕事内容
運営者が現場のリアルを解説

最終更新制度基準日
執筆:徳永 崇志(就労継続支援B型事業所の運営者)
初回公開
要点

B型のサビ管の仕事は、就労継続支援B型計画(個別支援計画)を作り、支援の質を管理することです。アセスメントから6か月ごとのモニタリングまでの一連の業務を担います。

B型ならではの仕事として、工賃と生産活動が計画に絡みます。事業所は年度ごとに工賃の目標水準を設定し、利用者に通知して都道府県に報告します。

配置の基準は利用者60人以下で1人以上です。61人以上は40人またはその端数ごとに1人を足します。1人以上は常勤でなければなりません。

中心の業務
就労継続支援B型計画の作成(アセスメント〜モニタリング)
計画の見直し
少なくとも6月に1回以上
B型固有の業務
年度ごとの工賃の目標水準の設定・通知・報告
配置の基準
利用者60人以下で1人以上(うち1人以上は常勤)
2人目が要るライン
利用者61人以上
制度基準日2026.08.31
根拠:指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条・第199条・第201条・第202条
目次

私は埼玉県で就労継続支援B型事業所を運営しています。サビ管を雇う側として、毎日いっしょに働いている立場です。ここでは、B型のサビ管の仕事を、条文と運営の実際の両方から整理します。

B型のサビ管は何をするのか

B型のサビ管の仕事は、就労継続支援B型計画を作り、事業所の支援の質を管理することです。

就労継続支援B型計画は、個別支援計画のB型での呼び名です。根拠になる条文は、他のサービスと同じ第58条です。B型の章の第202条が、「療養介護計画」を「就労継続支援B型計画」と読み替えて準用しています。

計画にかかわる一連の業務は、次のとおりです。

  • アセスメント … 利用者に面接して、能力・環境・希望する生活を把握します
  • 原案の作成 … 意向、支援の方針、課題、目標と達成時期、留意事項を書きます
  • 担当者会議 … 支援に当たる担当者を集め、原案について意見を求めます
  • 説明・同意・交付 … 本人に説明し、文書で同意を得て、本人と相談支援事業者等に渡します
  • モニタリング … 実施状況を把握し、少なくとも6月に1回以上見直します

このほかに、職員への技術指導と助言、関係機関との連携も条文上の業務です。ここまでは、どのサービスのサビ管でも変わりません。業務の全体像と1日の流れは、サービス管理責任者とはにまとめています。

B型で違うのは、この一連の業務が生産活動の現場と地続きになることです。アセスメントは面接して行うことが条文の要件ですが、面接で話す材料は日々の作業の場面に転がっています。作業の様子を見ていないサビ管の計画は、面接の言葉だけで書くことになります。

1年はどう回るのか

B型のサビ管の1年は、6か月周期の計画の見直しと、年度単位の工賃の手続きで回ります。

モニタリングは利用者ごとの周期で動き、工賃の手続きは事業所として年度で動きます。この2つの違う周期を1人で抱えるのが、B型のサビ管の実務です。

B型のサビ管の1年を動かす手続きと、その位置づけ
場面何をするか位置づけ
通年利用者ごとの周期モニタリングと計画の見直し。少なくとも6月に1回以上行います。省令の義務(第58条第9項)
年度ごと工賃の目標水準を設定し、前年度の工賃の平均額とあわせて利用者に通知します。都道府県への報告も必要です。省令の義務(第201条第4項)
年度初め前年度の平均工賃月額の届出。B型の基本報酬の区分を決める数字になります。報酬告示の定め(別表第14の1の注)
都道府県の案内が来たとき工賃向上計画の作成・提出。提出の要否や期限は都道府県で違います。国の指針に基づく運用
数年に1回程度実地指導(指導監査)への対応。周期に全国一律の定めはありません。指定権者の運用

出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条・第201条/報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表第14の1(2026-08-31確認) 原文 ↗

ここで、義務と運用を分けておきます。省令が義務として定めているのは、年度ごとの目標水準の設定と、利用者への通知、都道府県への報告です。義務は目標水準の設定と報告で、これはどの都道府県でも変わりません。

一方、「工賃向上計画」という文書は、省令ではなく国の指針に基づきます(平成24年4月11日障発0411第4号・最終改正 令和6年3月29日)。指針は、令和6年度から8年度までの3か年の計画の策定をB型事業所に求めています。提出の要否・期限・様式は都道府県ごとに違うので、指定権者の案内で確かめてください。

これらの手続きは、管理者や事務方と分担している事業所もあります。ただ、工賃の目標を決める材料は利用者ごとの状況なので、サビ管が関わらずに済むことはまずありません。

現場ではこうしています

利用者ごとのモニタリング期限と、年度の工賃の手続きを、同じ1枚の年間台帳に載せています。周期が違うものを別々に管理すると、年度替わりの忙しい時期にどちらかが落ちるためです。

工賃の目標水準の通知は、金額を配って終わりにしません。前年度の平均額と並べて、どの作業がどう変われば上がるのかまで説明できると、そのまま面談の材料になります。

※これは制度上の必須要件ではなく、当事業所での運用例です。

B型ならではの計画のポイントはどこか

B型の計画で軸になるのは、生産活動と工賃を、本人の希望や体調とどうつなぐかです。

B型の基本方針は、就労の機会と生産活動の機会の提供を通じて、必要な訓練を行うことです(第198条)。計画も、この2つの間に立って書くことになります。

工賃の目標と本人の希望を分ける

事業所の側には、工賃を上げたい事情があります。基本報酬が平均工賃月額に連動する区分が置かれているためです。単位数の多くは、前年度の平均工賃月額と利用定員で決まります。

ただし、個別支援計画の主語は事業所ではありません。条文が計画に書くよう求めているのは、本人の意向、支援の方針、課題、目標と達成時期、留意事項です。工賃の額は、必須の記載事項に入っていません。

計画の主語は利用者本人です。工賃を目標に据えるのは、本人がそれを望んでいるときにします。事業所の目標水準を、そのまま全員の計画に書き写すような作り方は避けてください。

体調の波を計画に織り込む

B型には、週5日通える人もいれば、週1日から始める人もいます。通所日数や作業時間を固定の数字で書き切ると、体調が崩れたときに計画と実態がすぐ離れます。

幅のある書き方にしておき、実績はモニタリングで確かめる形が現実的です。達成時期も、詰まった日程より、見直しの周期に合わせた設定のほうが評価しやすくなります。

一般就労との距離感を決めつけない

B型の利用者には、一般就労を目指す人も、いまの生活の安定を優先する人もいます。どちらかに寄せて書くのではなく、アセスメントで確かめた本人の希望から出発します。

目指す人の計画には、就労移行支援や就労選択支援との連携を位置づけられます。目指していない人の計画を、形だけ就労に向けて書く必要はありません。

書き方の実例は、次の記事に分けています。

配置と兼務はどうなっているのか

B型のサビ管の配置は、利用者60人以下で1人以上、うち1人以上は常勤と定められています。

就労継続支援B型のサビ管の配置基準
項目基準の中身
置くべき人数利用者60人以下は1人以上。61人以上は、60人を超えて40人またはその端数を増すごとに1人を加えます。
常勤の要件サビ管のうち1人以上は、常勤でなければなりません。
利用者数の数え方前年度の平均値で数えます。新規に指定を受ける場合は推定数です。
2人目が要るライン利用者が61人以上になったときです。

出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第199条(第186条を準用)(2026-08-31確認) 原文 ↗

利用者数は前年度の平均値で数えます。登録者の人数でも、その日の通所人数でもありません。定員20人のB型なら、サビ管は1人で基準を満たします。

管理者との兼務は、条文の上で認められています。管理者は、事業所の管理上支障がない場合に他の職務を兼ねられると定められているためです。小さな事業所では、管理者がサビ管を兼ねる形も珍しくありません。どこまで認めるかの運用は、指定権者ごとに違います。

数字でも、B型はサビ管がいちばん多く働いている場所です。令和6年社会福祉施設等調査では、B型のサビ管は常勤換算で15,970人でした。サービス別で最多です。一方で、のぞみの園の令和4年度調査では、サビ管等の人員確保が困難と感じている法人が48.0%にのぼりました。理由の1位は、実務経験の要件を満たす人の不足(51.2%)です。

同じ調査には、兼務の集計もあります。共同生活援助に限った設問ですが、サビ管の76.7%が他の業務を兼務していました。B型でも、サビ管が現場の支援に入りながら計画を回している事業所は少なくありません。

サビ管が欠けたままだと、事業所は利用者全員の報酬を減額されます。減算がいつ始まり、いくら引かれるのかは、サビ管欠如減算にまとめています。

運営者は「良いサビ管」のどこを見ているのか

運営者として見ているのは、記録と締切、そして抱え込まずに相談できるかの3点です。

計画そのものの上手さより先に、期限の管理を見ます。モニタリングの周期、同意と交付の日付、工賃の手続きは、どれも締切のある仕事です。締切内に記録が揃うかどうかで、事業所の運営基準の適合が決まってしまいます。

次に見るのは、仕事を渡せるかどうかです。のぞみの園の調査では、個別支援計画の作成をサビ管等が単独で行っている事業所が38.4%ありました。1人で抱えるほど、担当者会議は形だけになり、計画と現場が離れていきます。

最後は、計画と現場がつながっているかです。支援員が計画を読んで動けているか、計画にない対応が現場任せになっていないかを見ます。計画が書類棚の中だけで完結しているなら、どれだけ整った文章でも機能していません。

現場ではこうしています

記録と締切は、サビ管1人の責任にしません。期限の一覧を職員全員が見える場所に置き、遅れそうなものは早めに口に出せる形にしています。抱え込みは、本人の性格よりも仕組みの問題として扱います。

計画の中身は、担当者会議の前に支援員の実感とすり合わせます。現場の記録と計画の目標がずれてきたら、周期を待たずに見直しの相談を始めます。

※これは制度上の必須要件ではなく、当事業所での運用例です。

B型のサビ管に向いているのはどんな人か

B型のサビ管に向いているのは、支援と生産活動の両方を、同じ計画の中で考えられる人です。

工賃の話を避けない人が向いています。B型では、お金の話は本人の生活の話と切り離せません。作業と工賃の仕組みを本人に説明できることは、支援の技術の一部です。

体調の波に計画を合わせられる人も向いています。予定どおりに進まないことを前提に、幅のある目標を立てて、モニタリングで拾い直せる人です。計画どおりに進めることが目的になってしまう人には、B型の実務は窮屈に感じられます。

サビ管になるための要件と研修は、B型でも他のサービスでも同じです。要件の中身はサービス管理責任者とはから確かめてください。

次に読むもの

計画の実務と、配置が欠けたときのルールは別の記事にしています。

よくある質問

Q. B型のサビ管の仕事内容は?
A. 就労継続支援B型計画を作り、事業所の支援の質を管理することです。アセスメント、原案の作成、担当者会議、同意と交付、モニタリングまでを担います。職員への技術指導と助言、関係機関との連携も条文上の業務です。
Q. 工賃の目標も個別支援計画に書きますか?
A. 条文上の必須の記載事項ではありません。計画に書くのは意向、支援の方針、課題、目標と達成時期、留意事項です。工賃の目標水準は、事業所が年度ごとに設定して都道府県に報告する別の仕組みです。本人が望むなら、目標に工賃を含めることはできます。
Q. サビ管1人で利用者何人まで担当できますか?
A. 基準の上では利用者60人までです。61人以上になると、40人またはその端数を増すごとに1人を足します。利用者数は前年度の平均値で数えます。サビ管が1人の事業所では、その人は常勤でなければなりません。
Q. B型のサビ管は管理者と兼務できますか?
A. 事業所の管理上支障がなければ兼務できます。指定基準が、管理者は支障がない場合に他の職務を兼ねられると定めているためです。どこまで認めるかの運用は指定権者ごとに違うので、指定申請の窓口で確かめてください。
この記事の根拠資料
3.
厚生労働省
「「工賃向上計画」を推進するための基本的な指針(平成24年4月11日障発0411第4号・最終改正 令和6年3月29日)」
令和6〜8年度の事業所工賃向上計画。都道府県の公式案内とあわせて2026-08-31確認
6.
厚生労働省
サービス別のサビ管の常勤換算従事者数。2026-08-31確認
最終確認:2026.08.31

この記事の更新履歴

2026.08.31公開
執筆
徳永 崇志

徳永 崇志

就労継続支援B型事業所の運営者

埼玉県志木市で就労継続支援B型事業所「ぽちぽちの道」(事業所番号 1112200454)を運営しています。サービス管理責任者を雇う側として、配置基準や減算の判断に日々向き合っています。

サビ管ラボでは、厚生労働省の告示・通知や都道府県の公式資料にあたって、制度と実務を整理しています。

著者について →
文例集

個別支援計画の文例集(B型・グループホーム・生活介護)

長期目標・短期目標・支援内容の文例を、成人系のサービス3種類ぶん集めています。そのまま写さずに使うための考え方も添えています。

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