サビ管研修の事前課題・レポートの書き方
基礎・実践の記入例つき
サビ管研修の事前課題は、告示の定めではありません。演習の材料として、研修を実施する都道府県・研修実施機関が課しています。有無も様式も締切も、実施機関ごとに違います。
問われているのは、自分の実務を個別支援計画のプロセスの言葉で説明できるかです。文章のうまさは求められていません。
基礎研修では業務内容の整理や事例の記述、実践研修では個別支援計画の作成実績やOJTの報告が代表的な型です。事例を書くときは、利用者が特定されない形にします。
- 根拠
- 告示に事前課題の定めはない(定めがあるのは科目と時間数)
- 課しているのは誰か
- 研修を実施する都道府県・研修実施機関
- 基礎研修の代表的な型
- 自分の業務内容の整理・担当した事例の記述
- 実践研修の代表的な型
- 個別支援計画の作成実績・OJTの実践報告
- 事例の扱い
- 利用者が特定されない書き方にする(本記事の記入例は架空)
目次
研修の受講が決まると、事前課題の案内が届くことがあります。様式を前にして、何をどこまで書けばよいのかで手が止まります。ここでは基礎研修と実践研修それぞれの課題の型と書き方を、架空の事例による記入例つきで整理します。
事前課題で何が見られているのか
見られているのは、自分の実務を個別支援計画のプロセスの言葉で説明できるかどうかです。
まず前提を確かめます。告示に事前課題の定めはありません。 告示が定めているのは、研修の科目と時間数だけです。事前課題は、演習の材料として研修実施機関が用意しているものです。ですから、有無も様式も締切も、実施する都道府県・機関ごとに違います。
それでも、どこの研修でも似た課題が出ます。演習の中身が告示で決まっているためです。基礎研修の演習は、サービス提供プロセスの管理を扱います。実践研修は、サービス提供・人材育成・多職種連携の講義及び演習で組まれています。
受講者が持ち寄った業務や事例が、この演習の素材になります。だから文章のうまさは見られていません。アセスメントから計画、モニタリングへ進む流れのどこに自分の仕事があるのかを、具体的に書けているかが見られます。
課題の様式と設問は、受講が決まったときに届く案内が正です。他県の様式を調べても、自分の県の答えにはなりません。
基礎研修の課題はどう書くか
基礎研修でよく見られる課題は、自分の業務内容の整理と、担当した事例の記述の2つの型です。
どちらの型も、演習での自己紹介と事例検討の材料になります。凝った考察は要りません。したことと数字を、短い文で並べるのが近道です。
1つ目は、業務内容の整理です。自分の職歴と今の業務を、サービス提供のプロセスに結びつけて書きます。
| 設問の例 | 記入例 |
|---|---|
| 現在の業務 | 就労継続支援B型事業所の生活支援員として4年目です。作業支援のほか利用者10名を担当し、面談記録と家族への連絡を受け持っています。 |
| 個別支援計画との関わり | 担当利用者の個別支援計画には、原案の段階で日々の記録の要約を提出しています。モニタリングの面談には毎回同席しています。 |
| 研修で学びたいこと | 面談で聞き取った本人の希望を、達成時期のある目標に組み立て直す手順を学びたいです。 |
出典:記入例はサビ管ラボ編集部が作成した架空の例です。設問の立て方は研修実施機関ごとに違います
2つ目は、事例の記述です。書く順番を決めてから埋めると、欄の大きさに迷いません。利用者の状況、自分の関わり、残っている課題の順に書きます。
| 書く項目 | 記入例 |
|---|---|
| 利用者の状況 | 50代の男性で、知的障害があります。通所して3年になります。作業は安定していますが、休憩時間に他の利用者とのトラブルが続いています。 |
| 自分の関わり | 席の配置を変え、休憩の前に本人と短い打ち合わせをする形にしました。トラブルは月4回から2回に減りました。 |
| 残っている課題 | 本人が休憩をどう過ごしたいのかを聞き取れておらず、対応が場当たりになっています。 |
出典:記入例はサビ管ラボ編集部が作成した架空の例です。実在の利用者・事業所ではありません
事例に書く利用者は、実在の人をそのまま書かないでください。書き方の線引きは、後の節で整理します。上の記入例も、すべて架空の事例として作っています。
実践研修の課題はどう書くか
実践研修でよく見られる課題は、個別支援計画の作成にかかわった実績と、OJTで実践したことの報告です。
実践研修は、基礎研修のあとのOJTを前提に組まれています。国の調査研究には、事前課題の使い方として次のような自治体の例が挙がっています。
- 基礎研修修了後の業務での経験を事前課題に書かせ、当日のグループワークで発表する
- 個別支援計画の原案をどれくらい作成してきたかを、事前課題で確認する
- OJTでどんな助言や指導を受け、どう実践したかを振り返らせる
つまり、材料はOJTの記録の中にあります。従事した業務、受けた助言、実践したことの順で書きます。
| 書く項目 | 記入例 |
|---|---|
| 従事した業務 | 基礎研修修了後の10か月間、サービス管理責任者の指揮の下で、アセスメントと原案の作成を担当しました。原案は6件作成しました。 |
| 受けた助言と実践したこと | 目標に達成時期が書けていないという助言を受けました。次の原案からは、達成時期と評価のものさしを先に決める形に変えました。 |
| 今後の課題 | 担当者会議の進行はまだ任されていません。次の計画の見直しで、司会を担当する予定です。 |
出典:記入例はサビ管ラボ編集部が作成した架空の例です。実在の利用者・事業所ではありません
個別支援計画の演習に向けて、事例の整理を求められることもあります。計画そのものの書き方は、個別支援計画の書き方に分けてまとめています。
課題に書く数字は、日々の記録から拾える形にしておくと楽です。原案の件数、面談の回数、会議に出た回数の3つを月ごとに控えておけば、締切の直前に記録をさかのぼらずに済みます。
OJTで受けた助言は、受けたその日に一行で残しておきます。半年分をまとめて思い出すのは難しく、書けるのが印象に残った話だけになるためです。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
やってはいけない書き方はどれか
避けるべきは、抽象論だけで書くこと、利用者が特定できる記述、うまくいった話だけにする美談化の3つです。
まず抽象論です。方針の言葉だけでは、演習で検討する材料になりません。
- 悪い例: 利用者に寄り添った支援を心がけ、信頼関係の構築に努めています。
- 直した例: 面談を月1回から2回に増やしました。本人の希望は、面談のたびに本人の言葉のまま記録に残しています。
何をしたかが書いてあれば、寄り添えているかどうかは読み手が判断できます。行動と数字で書くことが、抽象論から抜ける近道です。
次に、利用者が特定できる記述です。氏名を伏せるだけでは足りません。 年齢、地名、通院先、家族構成、通所歴の組み合わせで、読む人が読めば個人にたどり着きます。イニシャル表記にしても、特定は防げません。
- 悪い例: Aさん、47歳女性。◯◯市の実家で母親と二人暮らし。市内の◯◯病院に通院中。
- 直した例: 40代の女性で、家族と同居しています。支援の検討に関係しない地名や病院名は書きません。
実在の事例をもとにするときは、特定につながる情報を変えるか省きます。事例を架空に組み替えても、課題の目的は果たせます。
最後に美談化です。うまくいった話だけに整えると、演習で検討する余地がなくなります。
- 悪い例: 根気強く声かけを続けた結果、見違えるほど意欲的になり、毎日笑顔で通所しています。
- 直した例: 通所日数が月12日から18日に増えました。送迎時間の変更と重なった時期なので、どの関わりが効いたのかはまだ分かりません。
課題も演習も、うまくいっていない事例のほうが役に立ちます。困っている事例をそのまま出すほうが、演習から持ち帰れるものは多くなります。
記入例集はどこで受け取れるか
この記事の記入例を課題の型ごとに増やした記入例集を、このページのいちばん下の案内から受け取れます。
記入例集は、基礎研修と実践研修の課題の型ごとに、書く順番と記入例をまとめたものです。特定の自治体の様式には依存しない、汎用の形で作っています。様式が違っても、書く中身の骨組みは変わらないためです。
資料の紹介ページは研修の事前課題・レポート記入例集にあります。
次に読むもの
課題を書く前に、研修の流れと受講要件も確かめておいてください。
- サビ管研修の全体像 … 基礎→OJT→実践→更新の流れと受講要件
- サビ管基礎研修とは … 受講できる時期と申込み、カリキュラム
- サビ管実践研修とは … 受講要件とカリキュラム、修了後の配置
- 個別支援計画の書き方 … 作成の6段階と、目標の立て方
よくある質問
研修の事前課題・レポート記入例集
基礎研修と実践研修の事前課題について、何を書けばよいかを記入例つきでまとめています。自治体の様式に依存しない汎用の形です。
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