児発管とサビ管の違い
両方になるには?実務経験・研修・兼務を比較
児発管とサビ管は、根拠の告示も法律も別の職種です。児発管は障害児の通所支援と入所支援、サビ管は障害者の障害福祉サービスで計画を作ります。
平成31年4月から、2つの研修はカリキュラムが統一されました。国のQ&Aは、研修の要件は統一されると示しています。職種そのものが統合されたわけではありません。
実務経験は、それぞれの告示で別々に満たします。国家資格の経路は児発管が3年+5年、サビ管が3年+3年です。両方の実務経験を満たして研修を終えれば、どちらの業務にも就けます。
- 根拠
- 児発管=告示第230号(児童福祉法)/サビ管=告示第544号(障害者総合支援法)
- 国家資格の経路
- 児発管は3年+5年/サビ管は3年+3年
- 研修
- 平成31年4月からカリキュラム統一(修了証書は分けて管理)
- 両方になる条件
- 両方の実務経験を満たし、研修を修了していること
- 兼務
- 多機能型事業所ならサビ管との兼務が可能(こども家庭庁Q&A)
目次
児発管(児童発達支援管理責任者)とサビ管(サービス管理責任者)は、仕事の形がよく似た職種です。そのため「2つは統合された」「片方を持てば両方できる」という説明も見かけます。ここでは告示と国のQ&Aの原文で、違いと、片方からもう片方になる道を確かめます。
児発管とサビ管は何が違うのか
児発管は障害児、サビ管は障害者の支援で計画を作る職で、根拠の告示と法律が別々です。
| 項目 | 児発管 | サビ管 |
|---|---|---|
| 根拠の告示 | 平成24年厚生労働省告示第230号 | 平成18年厚生労働省告示第544号 |
| 根拠の法律 | 児童福祉法 | 障害者総合支援法 |
| 置かれる事業所 | 児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援、障害児入所施設 | 療養介護、生活介護、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助 |
| 作る計画 | 児童発達支援計画など放課後等デイサービス計画、入所支援計画など | 個別支援計画基準上は療養介護計画などの名前で置かれる |
| 相談支援/資格のある人の直接支援 | 通算5年以上高齢者施設などを除いた期間が3年以上 | 通算5年以上 |
| 資格のない人の直接支援 | 通算8年以上高齢者施設などを除いた期間が3年以上 | 通算8年以上 |
| 国家資格の経路 | 3年 + 5年3年の側は高齢者施設などを除いて数える | 3年 + 3年 |
| 保育所での直接支援 | 対象の職場に挙がっている | 対象の職場に挙がっていない |
| 研修 | 基礎研修・実践研修・更新研修平成31年4月からカリキュラム共通 | 基礎研修・実践研修・更新研修平成31年4月からカリキュラム共通 |
出典:厚生労働省 平成24年厚生労働省告示第230号 第一号・第二号/平成18年厚生労働省告示第544号 一 イ/児童福祉法に基づく指定通所支援基準(平成24年厚生労働省令第15号)第5条・第27条・第71条/指定障害児入所施設等基準(同第16号)第4条・第21条(いずれも2026-09-21確認) 原文 ↗
表のなかで、実際の分かれ目になるのは実務経験の行です。国家資格の経路は児発管が2年長いので、同じ人でもサビ管だけ要件を満たすことがあります。
児発管の告示には、サビ管の告示に無い条件がもう1つあります。高齢者分野などでの期間を除いて、3年以上の経験が必要です。除かれる主な職場は次のとおりです。
- 老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院
- 地域包括支援センター、居宅介護支援事業、介護予防支援事業
- 療養病床の病室、老人居宅介護等事業
- 障害者雇用の特例子会社、助成金を受けた事業所
告示は「その他これらに準ずる施設」なども並べています。上の一覧はその全部ではありません。
児発管の告示だけが挙げている職場
児発管の告示は、子どもにかかわる職場を広く対象に挙げています。サビ管の告示には、次の職場は挙がっていません。
- 保育所、幼保連携型認定こども園
- 乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設
- 放課後児童健全育成事業、一時預かり事業、小規模保育事業など
- 大学を除く学校(サビ管の告示は特別支援学校などに限っている)
相談支援の業務でも違いがあります。児発管の告示は、障害のある人に加えて、児童の相談に応じる業務も数えています。
サビ管と児発管は統合されたのか
統合されたのは研修のカリキュラムで、職種は今も別々の告示で定められています。
平成31年4月に、研修の体系が見直されました。それまでの研修は、サビ管が介護・地域生活・就労などの分野別で、児発管は別の研修でした。見直しで、これらのカリキュラムが統一されました。
国はこの点を、自治体向けのQ&Aで次のように整理しています。
- 研修の修了という要件は、2つの職種で統一される
- 実務経験の要件は、これまでと同じくそれぞれに必要
- 両方の実務経験を満たす人が研修を修了すれば、両方の業務に従事できる
一方で、根拠になる法律は障害者総合支援法と児童福祉法で分かれています。そのため国は、修了証書と修了者名簿を分けて管理するよう求めています。統一されたのは研修の中身で、職種と修了証書は別のままです。
告示のうえでも、研修の名前は別々に残っています。サビ管の告示は「サービス管理責任者基礎研修」、児発管の告示は「児童発達支援管理責任者基礎研修」と書いています。時間数は同じです。
| 研修 | 児発管 | サビ管 |
|---|---|---|
| 基礎研修 | 15時間 | 15時間 |
| 相談支援従事者初任者研修(講義部分) | 11時間 | 11時間 |
| 実践研修 | 14.5時間 | 14.5時間 |
| 更新研修 | 13時間 | 13時間 |
出典:厚生労働省 平成24年厚生労働省告示第230号 別表第一〜第四/平成18年厚生労働省告示第544号 別表第一〜第四(2026-09-21確認) 原文 ↗
修了証書はどう扱われるのか
修了証書は職種ごとに分けて出され、両方の実務経験を満たす人には両方を出してよいとされています。
京都府がWAM NETに載せている国のQ&Aでは、研修を同じ日程で行うときの扱いが示されています。申込みの際に、本人の意向と実務経験を確かめて修了証を出すよう求めています。両方の実務経験を満たす人が希望すれば、両方の修了証を出して差し支えないとされています。
実際の出し方は都道府県で違います。例を2つ挙げます。
- 東京都の案内は、修了証書の名前を「サービス管理責任者基礎研修及び児童発達支援管理責任者基礎研修 修了証書」と並べて書いている
- 京都府の要領は、申込み時に修了証書の発行希望種別を選ばせる。交付後は、記載の資格の修正を受け付けないとしている
片方の修了証しか持っていない人が、あとからもう片方の業務に就く場合の手続きは、国の資料では確かめられませんでした。申込みの時点で種別を確かめることと、手元の修了証の扱いを研修の実施主体に聞くことを勧めます。
児発管からサビ管になるには何が要るのか
児発管からサビ管になるには、サビ管の告示が定める実務経験を満たすことが必要で、研修の要件は共通です。
サビ管の告示は、障害児通所支援事業や障害児入所施設を対象の職場に挙げています。児童発達支援や放課後等デイサービスでの直接支援は、サビ管の実務経験としても数えられます。障害児相談支援事業での相談支援も同じです。
国家資格の経路は、サビ管のほうが短くなります。資格に基づく業務が3年あれば足ります。児発管の告示にある、高齢者施設などを除く条件もありません。
気をつけたいのは、児発管の告示だけが挙げている職場の経験です。
- 保育所や認定こども園での直接支援
- 児童養護施設や乳児院などでの経験
- 特別支援学校以外の学校での経験
これらはサビ管の告示の一覧に挙がっていません。「準ずる施設」に当たるかどうかは都道府県の判断です。保育所の経験が長い人は、年数を数え直してから窓口に確かめてください。
サビ管から児発管になるには何が要るのか
サビ管から児発管になるには、児発管の告示の実務経験を満たすことが必要で、国家資格の経路では資格の業務が5年要ります。
児発管の告示は、障害者支援施設や障害福祉サービス事業を対象の職場に挙げています。生活介護や就労継続支援などでの直接支援は、児発管の実務経験としても数えられます。
足りなくなりやすいのは次の2点です。
- 国家資格の経路では、資格に基づく業務が通算5年必要になる。サビ管の3年より2年長い
- 高齢者施設などでの期間を除いて、3年以上の経験が必要になる
2つ目は、介護の分野から来た人ほど影響が大きくなります。たとえば資格のない人の直接支援が通算8年でも、そのうち6年が特別養護老人ホームなら、除いた残りは2年です。この場合、サビ管の要件は満たしても、児発管の要件は満たしません。
研修の要件は、国のQ&Aの考え方では共通です。修了証書の種別の扱いは、前の節のとおり都道府県に確かめてください。年数の数え方は児発管になるにはで詳しく扱っています。
研修の途中で行き来するとき
実践研修の受講要件は、2つの告示がほぼ同じ形で定めています。原則は、基礎研修の修了後に相談支援か直接支援の業務を通算2年以上です。
実践研修には、実務経験者向けの「通算6月以上」の特例もあります。数える業務として、どちらの告示も成人の基準と児童の基準の両方の計画作成業務を挙げています。サビ管のもとで計画づくりに加わった期間も、児発管の実践研修の6月に数えられる書き方です。特例の届出などの運用は都道府県ごとなので、受講前に確かめてください。
更新研修も同じ構造です。どちらの告示も、受講の対象にサビ管・児発管・管理者・相談支援専門員として従事している人を挙げています。
両方を兼ねることはできるのか
児童と成人のサービスを一体的に行う多機能型事業所なら、児発管とサビ管を1人で兼ねることができます。
こども家庭庁のQ&Aは、多機能型事業所の児発管について、次の兼務を可能としています。
- 管理者との兼務
- 他のサービスの児発管との兼務
- サビ管との兼務
もちろん、兼ねる人は両方の実務経験と研修の要件を満たしている必要があります。
多機能型でない事業所どうしは、事情が違います。児童発達支援と放課後等デイサービスの基準は、児発管の1人以上を専任かつ常勤とするよう定めています。別々の事業所で掛け持ちできるかは、指定権者に確かめてください。
サビ管どうしの兼務の考え方は、サビ管の兼務はどこまで認められるかにまとめています。
次に読むもの
児発管の要件そのものを確かめるなら、なり方の記事から読んでください。
- 児発管とは … 仕事内容と置かれる事業所
- 児発管になるには … 実務経験の3経路と「除いて3年」の数え方
- 児発管研修の流れ … 基礎研修から更新研修までの順番
- サビ管と管理者・サ責・ケアマネ・児発管の違い … 5職種をまとめて比較
- サービス管理責任者になるには … サビ管の実務経験の3経路
よくある質問
研修の事前課題・レポート記入例集
基礎研修と実践研修の事前課題について、何を書けばよいかを記入例つきでまとめています。自治体の様式に依存しない汎用の形です。
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