児発管とは?
児童発達支援管理責任者の仕事内容と要件・配置基準
児発管(児童発達支援管理責任者)は、障害のあるこどもの支援計画を作り、事業所の支援の質を管理する職種です。児童発達支援や放課後等デイサービスなどに置くことが義務づけられています。
仕事の中心は、保護者とこどもに面接してアセスメントを行い、児童発達支援計画などを作ることです。計画は少なくとも6か月に1回以上見直します。職員への技術指導と助言も条文上の業務です。
児童発達支援と放課後等デイサービスでは1人以上を置き、うち1人以上は専任かつ常勤とされています。なるには告示230号の実務経験を満たし、基礎研修と実践研修を修了します。
- 置かれる事業所
- 児童発達支援/放課後等デイサービス/居宅訪問型児童発達支援/保育所等訪問支援/障害児入所施設
- 仕事の中心
- 児童発達支援計画などの作成(アセスメント・会議・同意・モニタリング)
- 計画の見直し
- 少なくとも6か月に1回以上
- 配置(児童発達支援・放デイ)
- 1人以上(うち1人以上は専任かつ常勤)
- なるための要件
- 実務経験(3つの経路)+基礎研修・実践研修
- 資格の種類
- 国家資格ではない(実務経験と研修による任用要件)
目次
児童発達支援管理責任者は、障害のあるこどもが通う事業所や入所する施設に置かれる職種です。略して「児発管」と呼ばれます。ここでは、何をする人か、どこに何人置くのか、どうすればなれるのかを、基準と告示の原文から整理します。
児発管とは何をする人か
児発管は、こども一人ひとりの支援計画を作り、事業所の支援の質を管理する職種です。
名前は児童福祉法の本文には出てきません。法律にもとづく基準の中で定められています。定義を置いているのは、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準です。そこでは「障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者」とされています。
その者の要件を定めるのは、こども家庭庁長官とされています。要件の中身は、平成24年の厚生労働省告示第230号に書かれています。
告示の題名は2023年の改正で「こども家庭庁長官が定めるもの」に改められました。その後の改正も、こども家庭庁の告示で行われています。障害児支援の通知や資料はこども家庭庁から出るので、調べるときはここを取り違えないようにしてください。
児発管はどの事業所に置かれるのか
児発管は、障害児通所支援の4つのサービスと、障害児入所施設に置くことが定められています。
障害児通所支援とは何かは、児童福祉法が定義しています。児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援の4つです。どれも、指定を受けるには児発管を1人以上置く必要があります。
児発管が作る計画の名前は、サービスごとに違います。
| 事業所 | 作る計画 | 根拠 |
|---|---|---|
| 児童発達支援児童発達支援センターを含みます | 児童発達支援計画 | 指定通所支援基準 第5条・第6条・第27条 |
| 放課後等デイサービス | 放課後等デイサービス計画 | 指定通所支援基準 第66条・第71条 |
| 居宅訪問型児童発達支援 | 居宅訪問型児童発達支援計画 | 指定通所支援基準 第71条の8・第71条の14 |
| 保育所等訪問支援 | 保育所等訪問支援計画 | 指定通所支援基準 第73条・第79条 |
| 障害児入所施設福祉型・医療型の両方 | 入所支援計画/移行支援計画 | 指定障害児入所施設等基準 第4条・第21条・第21条の2・第52条 |
出典:厚生労働省 指定通所支援基準(平成24年厚生労働省令第15号)/指定障害児入所施設等基準(平成24年厚生労働省令第16号)(2026-09-21確認) 原文 ↗
計画の名前が違っても、作り方の条文は共通です。放課後等デイサービスなどは、児童発達支援の条文を読み替えて使っています。放課後等デイサービスでの書き方は、放デイの個別支援計画の記入例にまとめています。
入所施設では、もう1つ移行支援計画を作ります。こどもが障害福祉サービスなどを使いながら、自立した生活へ移っていくための計画です。
児発管の仕事内容は何か
児発管の仕事の中心は、アセスメントから見直しまで、支援計画づくりの一連の流れを担うことです。
流れは指定通所支援基準の第27条に定められています。管理者は、計画の作成に関する業務を児発管に担当させます。そのうえで、児発管が行うことは次の順番です。
| 工程 | 条文が求めていること | 根拠 |
|---|---|---|
| アセスメント保護者とこどもへの面接が要件です | こどもの能力、置かれている環境、日常生活全般の状況を評価します。保護者とこどもが希望する生活や課題を把握します。 | 第27条第2項・第3項 |
| 原案の作成 | 生活に対する意向、総合的な支援目標と達成時期、課題、支援の具体的内容、留意事項を書きます。具体的内容は、領域との関連性とインクルージョンの観点を踏まえます。 | 第27条第4項 |
| 担当者会議 | 支援にあたる担当者を集めて、原案への意見を求めます。テレビ電話装置などを使って開くこともできます。 | 第27条第5項 |
| 説明・同意・交付 | 保護者とこどもに説明し、文書で同意を得ます。できた計画は、保護者と障害児相談支援の事業者に渡します。 | 第27条第6項・第7項 |
| モニタリングと見直し | 計画の実施状況を把握し、少なくとも6か月に1回以上見直します。定期的に面接し、結果を記録します。 | 第27条第8項〜第10項 |
出典:こども家庭庁所管 指定通所支援基準(平成24年厚生労働省令第15号)第27条(2026-09-21確認) 原文 ↗
第28条は、計画づくりとは別に2つの業務を定めています。
- 相談と援助 … こどもと保護者の相談に応じ、必要な助言や援助をします
- 技術指導と助言 … 支援にあたる他の職員に、技術的な指導と助言をします
アセスメントの条文は、こどもの年齢と発達の程度に応じて、その意見を尊重するよう求めています。最善の利益を優先して考えることも同じ項に書かれています。保護者だけでなく、こども本人にも面接することが条文上の要件です。
ガイドラインが示す役割
こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、児発管の役割をもう少し広く書いています。全ての職員が計画に基づいた支援を行えるよう調整し、支援の過程を管理して評価する役割があるとしています。
アセスメントでは、本人支援の5領域の視点を踏まえるよう求めています。5領域は次の5つです。
- 健康・生活
- 運動・感覚
- 認知・行動
- 言語・コミュニケーション
- 人間関係・社会性
5領域を計画にどう書くかは、5領域の個別支援計画で記入例とあわせて整理しています。
ガイドラインは、関係機関とのつながりにも触れています。相談支援専門員が開く担当者会議では、児発管が目標の達成度や気づきを共有することが重要だとしています。事業所内の研修も、管理者が児発管と共同で企画するよう求めています。
児発管は何人置く必要があるのか
児発管は各事業所に1人以上置き、児童発達支援と放課後等デイサービスでは、うち1人以上を専任かつ常勤にします。
| 事業所 | 人数 | 常勤・専従の定め |
|---|---|---|
| 児童発達支援児童発達支援センター以外 | 1人以上 | うち1人以上は専任かつ常勤(第5条第8項) |
| 放課後等デイサービス | 1人以上 | うち1人以上は専任かつ常勤(第66条第8項) |
| 児童発達支援センター | 1人以上 | 従業者は専ら当該事業所の職務に従事する者などとされています(第6条第7項) |
| 居宅訪問型児童発達支援/保育所等訪問支援 | 1人以上 | うち1人以上は専ら当該事業所の職務に従事(第71条の8第3項・第73条第2項) |
| 障害児入所施設 | 1人以上 | 福祉型は第4条、医療型は第52条(指定障害児入所施設等基準) |
出典:こども家庭庁所管 指定通所支援基準(平成24年厚生労働省令第15号)/指定障害児入所施設等基準(平成24年厚生労働省令第16号)(2026-09-21確認) 原文 ↗
これらの条文は、どれも「一以上」と定めています。サビ管のように、利用者数に応じて人数が増える書き方はされていません。
主に重症心身障害児を通わせる事業所も、児発管は1人以上です。ただし専任かつ常勤を定めた項は、条文上は一般の事業所の児発管を指しています。重症心身障害児の事業所での扱いは、指定権者に確かめてください。
多機能型事業所には、常勤の要件をゆるめる特例があります。利用定員の合計が20人未満の場合です。ただしこの特例から、児発管は明文で除かれています。
2人目を置くときの特例
告示230号には、配置の数え方の特例もあります。常勤の児発管がいる事業所では、基礎研修修了者に計画づくりの業務の一部を行わせることができます。その場合、あわせて置くことで、置くべき児発管の数に達したとみなせます。
欠けたときの扱いも告示に定めがあります。やむを得ない事由で児発管が欠けた場合、1年間は、研修を終えていない実務経験者でも要件を満たすものとみなされます。条件と期間は児発管のみなし配置で詳しく扱います。
管理者との兼務は、管理者の側の条文で、支障がなければ他の職務に就けるとされています。ただし児発管のうち1人は専任とされています。兼務を組むときの扱いは、指定権者に確かめてください。
児発管になるには何が必要か
児発管になるには、告示230号の実務経験を満たし、基礎研修と実践研修を修了する必要があります。
実務経験には3つの経路があります。どれか1つを満たせば足ります。
- 相談支援の業務と、社会福祉主事任用資格者等の直接支援の業務 … 通算5年以上
- 上の資格を持たない人の直接支援の業務 … 通算8年以上
- 国家資格を持つ人 … 相談支援または直接支援が3年以上、かつ資格に基づく業務が通算5年以上
どの経路でも、高齢者分野などの期間を除いて3年以上が必要です。老人福祉施設や介護老人保健施設などでの期間が、ここで除かれます。
研修は、基礎研修、実践研修の順に受けます。基礎研修は、実務経験の年数に達するまで2年以内になった時点から受けられます。配置されたあとは、5年度ごとに更新研修を受けます。
経路ごとの数え方と、最短で何年かかるかは児発管になるにはにまとめています。研修の順番と申込みは児発管研修の流れで扱います。
児発管とサビ管はどう違うのか
児発管とサビ管は、計画を作り支援の質を管理する役割は同じですが、要件を定める告示が別です。
サビ管は成人の障害福祉サービスに置かれ、要件は告示544号にあります。児発管は障害児の事業所に置かれ、要件は告示230号にあります。実務経験のうち、違いが大きいのは次の2点です。
- 国家資格を持つ人の経路 … 児発管は3年+5年、サビ管は3年+3年
- 直接支援の業務の職場 … 児発管では保育所や幼保連携型認定こども園、放課後児童健全育成事業なども対象です
研修の仕組みはよく似ています。基礎研修、実践研修、更新研修の3段階で、受講の条件も同じ形で書かれています。更新研修の条件には、サビ管や児発管、管理者、相談支援専門員として現に従事していることが並んでいます。
サビ管側の仕事の中身はサビ管とはで扱っています。どちらからどちらへ移れるかは、児発管とサビ管の違いで整理します。
児発管は全国に何人いるのか
厚生労働省の調査では、児発管は障害児通所支援の4つの事業で合わせて35,712人です。
令和6年10月1日現在の常勤換算の数です。非常勤や兼務の人の勤務時間を、常勤1人分に割り戻した値で、実人数ではありません。
| 事業 | 児発管の人数 | 事業所の従事者の総数 |
|---|---|---|
| 放課後等デイサービス | 21,554人 | 130,073人 |
| 児童発達支援 | 12,203人 | 80,327人 |
| 保育所等訪問支援 | 1,852人 | 5,242人 |
| 居宅訪問型児童発達支援 | 103人 | 313人 |
| 合計 | 35,712人 | — |
出典:厚生労働省 令和6年社会福祉施設等調査 表8(常勤換算従事者数・2026-09-21確認) 原文 ↗
放課後等デイサービスが全体の6割ほどを占めます。この表には障害児入所施設の児発管は入っていません。同じ調査で、サビ管は48,358人でした。
給与の水準は、公的な調査でサビ管と同じ枠にまとめて集計されています。数字の読み方は児発管の年収で説明しています。
次に読むもの
児発管の記事は、なるまでの道筋と、現場の計画づくりの2つに分けています。
- 児発管になるには … 実務経験の3つの経路と最短の年数
- 保育士から児発管になるには … 保育所での経験の数え方
- 児発管の実務経験 … 対象になる業務と職場、証明書
- 児発管研修の流れ … 基礎研修から更新研修まで
- 児発管とサビ管の違い … 要件の差と、移るときの条件
- 児発管の年収 … 公的な調査の数字の読み方
- 児発管のみなし配置 … 欠けたときの1年間の扱い
- 5領域の個別支援計画 … 5領域の書き方と記入例
- 放デイの個別支援計画の記入例 … 放課後等デイサービスでの書き方
- 研修日程ナビ … 都道府県ごとの研修の募集時期
よくある質問
研修の事前課題・レポート記入例集
基礎研修と実践研修の事前課題について、何を書けばよいかを記入例つきでまとめています。自治体の様式に依存しない汎用の形です。
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