児発管の実務経験の数え方
対象になる施設・業務と実務経験証明書
児発管の実務経験は、相談支援と直接支援の期間を通算して数えます。必要な年数は、資格の有無で5年・8年・3年+5年のどれかです。
どの経路でも、高齢者施設などの期間を除いた3年以上が別に要ります。サビ管の告示には、この定めがありません。
保育所・児童養護施設・放課後児童クラブ・学校などの児童分野は、職場として告示が名指ししています。1年を180日として数える扱いは告示になく、都道府県の運用です。
- 相談支援+有資格者の直接支援
- 通算5年以上(うち高齢者施設等を除いて3年以上)
- 資格なしの直接支援
- 通算8年以上(うち高齢者施設等を除いて3年以上)
- 国家資格を持つ人
- 高齢者施設等を除いた相談・直接支援3年以上 + 資格に基づく業務5年以上
- 除かれる期間の例
- 老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・療養病床・居宅介護支援など
- 1年=180日
- 告示の定めではなく都道府県の運用(千葉県はサビ管と同じ扱い)
目次
児童発達支援管理責任者(児発管)の実務経験は、サビ管と似ていますが、同じではありません。数えられる職場は児童分野に広く、代わりに高齢者施設などの期間には別の縛りがあります。ここでは告示第230号の原文から、数え方と証明書の扱いを整理します。
児発管の実務経験は何年必要か
必要な年数は資格の有無で5年・8年・3年+5年に分かれ、どの経路にも高齢者施設などを除いた3年以上が加わります。
告示は、期間の種類にイからヘまでの記号を振っています。まず中身を押さえておきます。
- イ 相談支援の業務
- ロ 社会福祉主事任用資格者等が行った直接支援の業務
- ハ イとロのうち、高齢者施設などで従事した期間
- ニ それ以外の人が行った直接支援の業務
- ホ ニのうち、高齢者施設などで従事した期間
- ヘ 国家資格に基づく業務
| 経路 | 通算の年数 | あわせて必要なこと |
|---|---|---|
| 相談支援+有資格者の直接支援イ+ロ | 通算5年以上 | 5年からハの期間を除いて3年以上 |
| 資格なしの直接支援ニ | 通算8年以上 | 8年からホの期間を除いて3年以上 |
| 国家資格を持つ人イ・ロ・ニ+ヘ | 資格に基づく業務が通算5年以上 | イ・ロ・ニの通算からハ・ホを除いて3年以上 |
出典:こども家庭庁 平成24年厚生労働省告示第230号 第一号(2026-09-21確認) 原文 ↗
どれか1つの経路を満たせば足ります。3つすべてを満たす必要はありません。
国家資格の経路は3年+5年です。サビ管は3年+3年なので、ここが大きな違いです。23の国家資格の顔ぶれは、サビ管と同じです。保育士は23資格に入らず、ロの「社会福祉主事任用資格者等」の側に入っています。
どの施設・事業が対象になるのか
対象の職場は告示が名指しで挙げていて、保育所や児童養護施設、学校などの児童分野が広く入っています。
まず相談支援の業務です。告示はイの(1)から(6)に職場を並べています。
| 職場の種類 | 告示に挙がっているもの |
|---|---|
| 相談支援の事業イ(1) | 一般相談支援事業、特定相談支援事業、障害児相談支援事業、地域生活支援事業、居宅介護支援事業、介護予防支援事業など |
| 行政などの相談機関イ(2) | 児童相談所、児童家庭支援センター、里親支援センター、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所、福祉事務所、発達障害者支援センター、高次脳機能障害者支援センターなど |
| 入所施設などイ(3) | 障害児入所施設、乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設、老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、介護医療院、地域包括支援センターなど |
| 就労の支援機関イ(4) | 障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなど |
| 学校イ(5) | 学校教育法第1条の学校(大学を除く)など |
| 医療機関イ(6)・条件つき | 病院、診療所 |
出典:こども家庭庁 平成24年厚生労働省告示第230号 第一号イ(2026-09-21確認) 原文 ↗
病院・診療所だけは、サビ管と同じ条件が付いています。社会福祉主事任用資格に当たる人、国家資格を持つ人、ほかの職場での従事が1年以上ある人などに限られます。
次に直接支援の業務です。告示はロの(1)から(5)に職場を並べていて、ニも同じ職場を使います。
| 職場の種類 | 告示に挙がっているもの |
|---|---|
| 児童福祉施設・入所施設などロ(1) | 障害児入所施設、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童家庭支援センター、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、里親支援センター、障害者支援施設、老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、療養病床の病室など |
| 児童福祉・障害福祉の事業ロ(2) | 障害児通所支援事業、放課後児童健全育成事業、一時預かり事業、小規模保育事業、家庭的保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業、子育て短期支援事業、障害福祉サービス事業、老人居宅介護等事業など |
| 医療機関・薬局ロ(3) | 病院、診療所、薬局、訪問看護事業所など |
| 障害者雇用の事業所ロ(4) | 特例子会社、障害者雇用の助成金の支給を受けた事業所など |
| 学校ロ(5) | 学校教育法第1条の学校(大学を除く)など |
出典:こども家庭庁 平成24年厚生労働省告示第230号 第一号ロ(2026-09-21確認) 原文 ↗
ロ(2)の児童福祉の事業は、表に挙げたもの以外にもあります。告示は児童福祉法第6条の3の事業を14種類並べています。
職場が表にあっても、それだけで数えられるわけではありません。見られるのは、担当していた仕事が相談支援か直接支援に当たるかです。直接支援は、介護や日常生活の動作の指導、生活能力の向上のための訓練などを指します。
保育所や一般の学校で、障害のない子どもだけを受け持っていた期間の扱いは、条文から一義に読めません。こうした期間を数えたい人は、申込先の都道府県に確かめておくと安心です。
高齢者施設を除いた3年とは何か
5年や8年の通算とは別に、高齢者施設などの期間を除いても3年以上あることが、児発管だけに求められています。
告示は「児童や障害者の業務が3年」とは書いていません。通算の期間から、ハとホの期間を差し引いて3年以上残ることを求めています。差し引かれるのは、次の職場での期間です。
| 業務 | 除かれる職場 |
|---|---|
| 相談支援の業務ハ | 老人福祉施設、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、介護医療院、地域包括支援センター、居宅介護支援事業、介護予防支援事業など |
| 直接支援の業務ハ(有資格者)・ホ(資格なし) | 老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、療養病床の病室、老人居宅介護等事業、特例子会社、障害者雇用の助成金の支給を受けた事業所など |
出典:こども家庭庁 平成24年厚生労働省告示第230号 第一号ハ・ホ(2026-09-21確認) 原文 ↗
たとえば、特別養護老人ホームで5年働いた介護福祉士がいるとします。5年の通算は満たしますが、差し引くと0年です。このままでは要件を満たしません。障害福祉や児童分野で3年以上の経験を積むと、要件に届きます。
高齢者施設の期間が無駄になるわけではありません。5年や8年の通算には入ります。足りないのは、差し引いたあとの3年のほうです。
医療機関については、告示と都道府県の案内で書き方が違います。告示が名指しで除いているのは、療養病床の病室までです。病院・診療所そのものは、ハとホに挙がっていません。
一方で、都道府県の案内は「医療機関等」と広めにまとめている例があります。
- 千葉県の実務経験一覧は「老人福祉施設・医療機関等以外での実務経験が3年以上必要」と注記しています
- 愛知県の児発管用の証明書は、合計欄に「障害児、児童又は障害者への支援」の期間を別に書かせています
病院での期間を3年の側に入れたい人は、申込先の都道府県に扱いを確かめてください。
1年は何日で数えるのか
1年を実働180日以上として数える扱いは告示になく、千葉県はサビ管と同じ換算を児発管にも示しています。
告示第230号は「通算して五年以上」のように、期間だけを定めています。1年あたりの勤務日数や、1日の勤務時間の下限は書かれていません。
日数の目安は、都道府県が運用として示しています。千葉県の実務経験一覧は、児発管の表にもサビ管と同じ注記を置いています。
| 必要な年数 | 在籍していた期間 | 実際に従事した日数 |
|---|---|---|
| 3年以上 | 3年以上 | 通算540日以上千葉県が例に挙げている値 |
| 5年以上 | 5年以上 | 通算900日以上 |
| 8年以上 | 8年以上 | 通算1,440日以上 |
出典:千葉県 実務経験一覧(告示要約版)2 児童発達支援管理責任者(2026-09-21確認)。同資料は「1年以上の実務経験=従事日数180日以上」「3年以上=540日以上」と示している。5年・8年は同じ換算による値 原文 ↗
千葉県は、国家資格の5年と相談・直接支援の3年を同じ時期で算定してよいともしています。資格を取る前の期間も、有資格者の経路の年数に含めてよいとしています。どちらも千葉県の運用なので、ほかの都道府県では案内を確かめてください。
サビ管の実務経験と重なるのはどこか
障害福祉の職場での経験はサビ管と児発管の両方に数えられ、違いは児童分野の職場と高齢者施設の扱いに出ます。
サビ管の要件は告示第544号、児発管の要件は告示第230号で、根拠が別です。2つの原文を突き合わせると、違いは次のとおりです。
| 項目 | サビ管(告示第544号) | 児発管(告示第230号) |
|---|---|---|
| 国家資格の経路 | 3年+3年 | 3年+5年 |
| 高齢者施設などの期間 | 5年・8年・3年にそのまま数える | 通算には入るが、除いて3年以上が別に必要 |
| 支援の相手 | 障害などで日常生活に支障がある人 | 同じ人に加えて、児童福祉法の児童 |
| 児童福祉の施設・事業 | 障害児入所施設・障害児通所支援事業まで | 保育所、認定こども園、乳児院、児童養護施設、放課後児童健全育成事業なども入る |
| 学校 | 特別支援学校 | 学校教育法第1条の学校(大学を除く) |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)/こども家庭庁 平成24年厚生労働省告示第230号 第一号(2026-09-21確認) 原文 ↗
重なる部分もはっきりしています。障害福祉サービス事業所や障害者支援施設、相談支援事業所での経験は、どちらにも数えられます。病院・診療所での相談支援の条件も、両方で同じです。
サビ管の実務経験を満たしていても、児発管を満たすとは限りません。高齢者施設での経験が中心の人は、除いた3年が足りないことがあります。国家資格の人は、資格の業務が5年に届いているかも確かめておきます。
逆に、保育所や児童養護施設での経験はサビ管の職場一覧に挙がっていません。児発管の要件を満たしていても、サビ管は別に確かめる必要があります。
サビ管側の数え方は、別の記事で原文から整理しています。
実務経験証明書は誰が書くのか
実務経験証明書は勤め先の法人が書くもので、様式はサビ管と共用の県もあれば、児発管用を別に配る県もあります。
全国共通の様式はありません。令和8年度の基礎研修で、2つの県の様式を実物で確かめました。
| 県 | 様式 | 書く人と主な決まり |
|---|---|---|
| 千葉県 | サビ管と児発管で1つの様式(参考様式4)を共用 | 案内ページは「実務経験を証明する場合は雇用主が発行する必要があります」と注記。職場ごとに証明を受ける |
| 愛知県実施は愛知県社会福祉協議会 | 児発管用の様式をサビ管用とは別に配布 | 配置予定の法人または事業所が作成。個人による作成・提出は不可。押印は必須。前の事業所の証明書は不要で、現事業所が内容を確認して証明する |
出典:千葉県 令和8年度第1回サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者基礎研修 案内ページ・参考様式4/愛知県社会福祉協議会 令和8年度 実務経験証明書(児発管用)(2026-09-21確認) 原文 ↗
愛知県の児発管用の様式は、期間の合計欄に「障害児、児童又は障害者への支援」を別に書かせます。前の節の、除いて3年の要件を確かめるための欄です。サビ管用の様式を使い回すと、この欄が抜けます。
もう1つ、年数の欄に注意が要ります。基礎研修は、実務経験の年数に達するまで2年以内になった時点から受けられます。このため愛知県の様式は、本来の年数から2年少ない年数で区分を組んでいます。証明書の年数が足りていても、配置の時点で要件を満たすとは限りません。
記入欄の書き方や、前の職場への頼み方は、サビ管と共通です。そちらは次の記事にまとめています。
次に読むもの
- 児発管になるには … 要件と研修の全体像
- 保育士から児発管になるには … 保育士の期間の数え方
- 児発管研修の流れ … 基礎研修から更新研修まで
- サビ管の実務経験の数え方 … サビ管側の対象業務と180日換算
- 実務経験証明書の書き方 … 様式の入手先と記入のポイント
- 実務経験証明書の依頼の仕方 … 前の職場への頼み方と例文
よくある質問
実務経験証明書のテンプレートと書き方
実務経験証明書のひな形(Word・PDF)に、項目ごとの記入例と、退職した職場への依頼文例を添えています。
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