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個別支援計画の5領域とは?
いつから・書き方と記入例【児発・放デイ】

最終更新|制度基準日
執筆:徳永 崇志(就労継続支援B型事業所の運営者)
初回公開
要点

5領域は「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5つで、児童発達支援と放課後等デイサービスの本人支援をまとめる枠です。

令和6年4月から、個別支援計画の具体的な支援内容に5領域との関連性を書くことが運営基準で求められています。

5つの領域ごとに別々の目標を立てる必要はありません。支援内容ごとに関連する領域を書き添え、本人支援の全体で5領域すべてが関連付けられていれば足ります。

5領域
健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性
計画への記載
令和6年4月1日から(運営基準 第27条第4項)
支援プログラムの公表
令和7年4月から未公表は所定単位数の85%に減算
書き方
支援内容ごとに関連する領域を記載(領域ごとの欄は不要)
領域の記載が要る項目
本人支援だけ(家族支援・移行支援・地域支援は不要)
制度基準日2026.09.21
根拠:児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)第26条第4項・第27条第4項/こども家庭庁 児童発達支援ガイドライン・放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)
目次

児童発達支援と放課後等デイサービスの個別支援計画には、令和6年4月から「5領域との関連性」を書く欄が加わりました。5つの領域それぞれに目標を立てるのか、支援内容に領域名を添えるのかで、現場の書き方が分かれています。ここではこども家庭庁のガイドラインと運営基準の原文から、5領域の中身と書き方を確かめます。

この記事の記入例はすべて架空の典型例です。特定のこどもの事例ではありません。計画を作るのは児童発達支援管理責任者(児発管)の仕事なので、児発管として働く人と、これから目指す人に向けて書いています。

5領域とは何か

5領域とは、障害のあるこどもへの本人支援を発達の側面から5つにまとめた枠組みです。

名前はガイドラインの原文どおり、次の5つです。

  • 健康・生活
  • 運動・感覚
  • 認知・行動
  • 言語・コミュニケーション
  • 人間関係・社会性

児童発達支援ガイドラインと放課後等デイサービスガイドラインは、どちらも同じ説明を置いています。心身の健康や生活に関する領域が「健康・生活」、人との関わりに関する領域が「人間関係・社会性」、という書き方です。

そのうえで、ガイドラインは「これらの領域の支援内容は、お互いに関連して成り立っており、重なる部分もある」と書いています。5つは切り分けた科目ではなく、ひとつの支援を見る5つの視点です。

5領域の説明と、ガイドラインに並ぶ支援内容の見出しの例
領域ガイドラインの説明支援内容の見出しの例(児童発達支援ガイドライン)
健康・生活心身の健康や生活に関する領域健康状態の維持・改善/生活習慣や生活リズムの形成/基本的生活スキルの獲得
運動・感覚運動や感覚に関する領域姿勢と運動・動作の基本的技能の向上/身体の移動能力の向上/保有する感覚の活用/感覚の特性への対応 など
認知・行動認知と行動に関する領域認知の特性についての理解と対応/対象や外部環境の適切な認知と適切な行動の習得/行動障害への予防及び対応
言語・コミュニケーション言語・コミュニケーションの獲得に関する領域コミュニケーションの基礎的能力の向上/言語の受容と表出/コミュニケーション手段の選択と活用 など
人間関係・社会性人との関わりに関する領域アタッチメント(愛着)の形成と安定/自己の理解と行動の調整/仲間づくりと集団への参加 など

出典:こども家庭庁 児童発達支援ガイドライン(令和6年7月)第3章2(1)本人支援(2026-09-21確認) 原文 ↗

放課後等デイサービスガイドラインでは、見出しが少し増えています。健康・生活に「生活におけるマネジメントスキルの育成」が、人間関係・社会性に「情緒の安定」などが加わっています。5つの領域名そのものは同じです。

5領域の記載はいつから求められているのか

計画に5領域との関連性を書くことは、令和6年4月1日に施行された運営基準の改正から求められています。

5領域という枠そのものは新しくありません。平成29年7月に厚生労働省が示した児童発達支援ガイドラインに、すでに同じ5つの説明がありました。令和6年度の報酬改定で変わったのは、この枠が運営基準の条文に入ったことです。

移行のための経過措置もありました。令和6年4月30日までに利用を始めていたこどもは、10月31日までの間、5領域の記載を計画の見直しのときに回すことができました。5月以降に利用を始めたこどもは、最初から5領域を含めた計画が必要でした。

改正後の運営基準には、5領域にかかわる定めが4つあります。義務と努力義務が混ざっているので、分けて見ます。

5領域にかかわる運営基準の定め(児童発達支援。放課後等デイサービスにも準用)
定め中身義務か
総合的な支援第26条第4項心身の健康等に関する領域を含む総合的な支援を行う義務(「行わなければならない」)
個別支援計画の原案第27条第4項領域との関連性及びインクルージョンの観点を踏まえた具体的内容を記載する原案に記載する事項(原案を「作成しなければならない」)
支援プログラム第26条の2事業所ごとに、領域との関連性を明確にした支援の実施に関する計画を策定し、公表する義務。令和7年3月31日までは努力義務の経過措置
インクルージョン第26条の3地域の保育、教育等の支援を受けられるようにし、インクルージョンの推進に努める努力義務(「努めなければならない」)

出典:こども家庭庁 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)第26条・第26条の2・第26条の3・第27条・第71条/令和6年内閣府令第5号 附則第6条(2026-09-21確認) 原文 ↗

条文そのものには「5領域」という言葉がなく、「心身の健康等に関する領域」と書かれています。この領域が5領域を指すことは、運営基準の解釈通知が示しています。放課後等デイサービスは、第71条の準用でこれらの定めがそのまま掛かります。

支援プログラムの公表には、報酬上の減算も付いています。公表と都道府県への届出がない月は、所定単位数の100分の85で算定します。障害児全員が対象で、令和7年4月1日から適用されています。

ガイドラインには5領域について何が書かれているか

令和6年7月のガイドラインは、5領域すべての視点を網羅した支援を「総合的な支援」と呼び、その提供を基本としています。

こども家庭庁は令和6年7月4日の通知で、児童発達支援ガイドラインと放課後等デイサービスガイドラインを改訂しました。平成29年版と平成27年版は、このとき廃止されています。

計画づくりに関わる記述は、大きく3つです。

  • アセスメントは5領域の視点を踏まえて行う。市町村が支給決定のときに行う「5領域20項目の調査」の結果も、保護者に確認して活用する
  • 5領域の視点を網羅したアセスメントをしない支援や、特定の領域だけの支援は、総合的な支援としては相応しいとは言えない
  • 理学療法士などの専門性にもとづいて、特定の領域に重点を置いた支援を組み合わせることはできる。その場合も計画に書く

2つ目は誤解されやすいところです。特定の領域に力を入れること自体は認められています。認められないのは、5領域の視点が抜けたまま支援を組むことです。

5領域ごとに目標を立てる必要はあるのか

5つの領域ごとに別々の目標を立てる必要はなく、支援内容ごとに関連する領域を書き添えれば足ります。

ガイドラインは、計画に「5つの欄を設けて、個々に異なる支援目標や支援内容を設定する必要はない」と明記しています。そのかわり、各領域との関連性は必ず記載することとしています。

書き方の決まりをまとめると、次の4点になります。

  • 本人支援の支援内容ごとに、関連する領域を書く。複数にまたがるときは、関連する領域を全て書く
  • 本人支援の全体として、5領域すべてが関連付けられるようにする
  • 実施の頻度が低い支援内容でも、5領域との関連が担保できるよう書いておく
  • 家族支援・移行支援・地域支援・地域連携には、5領域との関連性の記載は要らない

ガイドラインはもう一つ注意を置いています。「単に5領域に対応する支援への当てはめ」だけの計画にしない、という点です。領域名を先に並べて支援を探すのではなく、アセスメントで見えた課題から支援を組み、あとで領域との関係を確かめる順番になります。

国の参考様式では5領域をどこに書くのか

こども家庭庁の参考様式では、5領域は「支援内容」の欄の中に書く形になっていて、領域ごとの欄はありません。

参考様式は、令和6年3月15日の事務連絡の別紙1としてExcelで示されています。支援の欄は横に並んでいて、見出しは次のとおりです。

  • 項目(本人支援・家族支援・移行支援・地域支援・地域連携)
  • 支援目標(具体的な到達目標)
  • 支援内容(内容・支援の提供上のポイント・5領域との関連性等)
  • 達成時期
  • 担当者・提供機関
  • 留意事項(本人の役割を含む)
  • 優先順位

欄外には「※5領域の視点」として、5つの領域名が並んでいます。2枚目は「個別支援計画別表」で、曜日ごとの利用時間や延長支援時間を書く表です。

令和6年5月17日の事務連絡には、この様式に沿った参考記載例も付いています。5歳のこどもを想定した架空の例で、本人支援が5行あります。各行の支援内容の横に、関連する領域名が書き添えられています。

こども家庭庁の参考記載例で、本人支援の各行に書かれている領域
本人支援の行書き添えられている領域
1行目人間関係・社会性、運動・感覚
2行目認知・行動、言語・コミュニケーション
3行目健康・生活
4行目言語・コミュニケーション
5行目人間関係・社会性

出典:こども家庭庁 令和6年5月17日事務連絡 別紙3「個別支援計画(参考記載例)」(2026-09-21確認) 原文 ↗

1行に1つの領域とは限らず、同じ領域が2回出てくる行もあります。それでも5行を合わせると、5つの領域がすべて出てきます。ガイドラインのいう「本人支援全体として5領域全てが関連付けられる」状態が、この形です。

様式は国の統一様式ではありません。解釈通知は、計画の様式を「ガイドラインを参考にしつつ、各指定事業所で定めるもので差し支えない」としています。

5領域の記入例はどう書くのか

支援目標と支援内容を先に書き、最後の列に関連する領域を書き添える形にすると、参考様式にそのまま載せられます。

以下は架空の典型例です。就学前のこどもが児童発達支援に通う場面を想定しました。実際の計画は、アセスメントの結果と本人・保護者の意向から組み立ててください。

項目支援目標(到達目標)支援内容関連する領域
本人支援朝の身支度を、絵カードの手順を見ながら自分で進められる手順を絵カードで示し、できた工程をその場で一緒に確かめる健康・生活、認知・行動
本人支援遊具で遊ぶとき、体の向きを変えながら最後まで渡りきれる段差や傾きのある遊具を用意し、手や足で支える動きを遊びの中で繰り返す運動・感覚
本人支援次の活動への切り替えを、予告があれば自分で受け入れられる活動の終わりを時計や写真で予告し、切り替えられたときはすぐに認める認知・行動、人間関係・社会性
本人支援困ったとき、身振りや言葉で職員に伝えられる伝え方の見本を職員が示し、伝えられたらすぐに応える言語・コミュニケーション
本人支援小集団の遊びで、友だちと順番を交代できる2〜3人の遊びで順番を目に見える形で示し、交代の場面を職員が仲立ちする人間関係・社会性、言語・コミュニケーション
家族支援家庭でも、手順を示すと身支度が進む場面が増える事業所で使っている絵カードの使い方を面談で伝え、家庭の様子を聞き取る(記載不要)
移行支援通っている保育所でも、切り替えの予告が同じ方法で行われる保護者の同意を得て、予告の方法を保育所と共有する(記載不要)

表を作ったら、本人支援の行だけを見て5つの領域がすべて出ているかを確かめます。この例では、健康・生活と運動・感覚が1回ずつ、ほかの3つが2回ずつ出ています。

1つの領域しか出てこない行があっても構いません。大切なのは、その領域名が支援内容の中身と噛み合っていることです。「絵カードで示す」支援に認知・行動を添えるのは説明がつきますが、中身と関係のない領域を数合わせで足すと、当てはめだけの計画になります。

達成時期や目標の主語など、5領域以外の欄の書き方は、成人向けも含めて別の記事にまとめています。

5領域の書き方で直したほうがよいのはどこか

領域名だけが並んで中身とつながっていない計画と、本人支援以外の行にまで領域を書き込んだ計画は、見直したほうが整います。

ガイドラインと記載のポイントに照らすと、よく見かける書き方は4つに分けられます。

  • 5つの欄を作り、領域ごとに無理に目標を埋めている。欄は不要とされているので、支援内容の単位にまとめ直す
  • どの行にも5領域すべてを書いている。関連する領域を書く決まりなので、中身とつながる領域だけに絞る
  • 家族支援や移行支援にも領域を書いている。記載は不要とされている
  • 実施の頻度が低い領域を計画から落としている。頻度が低くても、関連する支援内容として書いておく

どれも減算に直結すると原文で定められているわけではありません。ただ、計画の原案に書くべき事項は第27条第4項が定めています。関連性が読み取れない計画は、実地指導で説明を求められる場面が出てきます。

同じこどもの計画が、長いあいだ同じ文面のまま続くのも避けます。記載のポイントは、記載が長期にわたり同一であることは想定されないとしています。

5領域の支援プログラムと個別支援計画はどう違うのか

支援プログラムは事業所全体の支援を5領域と関連付けて公表する計画で、個別支援計画はこども一人ひとりの計画です。

支援プログラムには、こども家庭庁が作成・公表の手引きを出しています。記載項目は12あり、その1つが「本人支援の内容と5領域の関連性」です。関連付けの書き方は問わないとされ、例として2つの方法が挙がっています。

  • 領域ごとの欄を設けて、関連する支援内容を書く方法
  • 書かれている支援内容に、各領域を関連付ける方法

個別支援計画では領域ごとの欄は不要とされていますが、支援プログラムではこの形も例に入っています。手引きは、支援プログラムの内容が個々の個別支援計画につながっていくものだとしています。事業所の支援プログラムで示した支援が、こどもの計画の支援内容に出てくる関係を意識しておくと、両方の説明がそろいます。

次に読むもの

5領域を書き込む計画は、児発管が作るものです。児発管の仕事全体と、計画の書き方の関連記事を挙げます。

よくある質問

Q. 5領域すべてに目標を立てないといけませんか?
A. 立てる必要はありません。ガイドラインは、5つの欄を設けて領域ごとに異なる目標を立てる必要はないとしています。ただし、各領域との関連性は必ず書きます。本人支援の全体で5領域すべてが関連付けられている状態にします。
Q. 5領域の記載はいつから必要ですか?
A. 令和6年4月1日からです。この日に施行された運営基準の改正で、計画の具体的内容に5領域との関連性を書くことが加わりました。5領域という枠そのものは、平成29年の児童発達支援ガイドラインで既に示されていました。
Q. 家族支援や移行支援にも5領域を書きますか?
A. 書く必要はありません。こども家庭庁の記載のポイントは、家族支援・移行支援・地域支援・地域連携について、5領域との関連性の記載は不要としています。領域を書き添えるのは本人支援の行だけです。
Q. 5領域のフォーマットは決まっていますか?
A. 決まった様式はなく、事業所で定めて構いません。こども家庭庁が参考様式をExcelで示しており、支援内容の欄に5領域との関連性を書く形になっています。都道府県が独自の様式を示している場合もあるので、指定権者の案内も確かめてください。
Q. 支援プログラムと個別支援計画は同じものですか?
A. 別のものです。支援プログラムは事業所全体の支援を5領域と関連付けて公表する計画で、個別支援計画はこども一人ひとりの計画です。支援プログラムを公表せず都道府県に届け出ていないと、令和7年4月から減算になります。
この記事の根拠資料
1.
こども家庭庁
2026-09-21確認。第26条第4項(心身の健康等に関する領域を含む総合的な支援)・第26条の2(支援プログラム)・第26条の3(インクルージョン)・第27条第4項(計画の原案に記載する事項)・第71条(放課後等デイサービスへの準用)。令和6年内閣府令第5号 附則第6条(支援プログラムの経過措置)
2.
こども家庭庁
2026-09-21確認。第3章2(1)本人支援(5領域の説明)・第4章2(2)児童発達支援計画の作成
3.
こども家庭庁
2026-09-21確認。本人支援の5領域の説明と、計画作成の留意点は児童発達支援ガイドラインと同じ趣旨
4.
こども家庭庁
2026-09-21確認。参考様式(Excel)は https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/253aba4f-3ce0-4aa1-a777-3d42440f1ca2/753a4147/20240412_policies_shougaijishien_shisaku_hoshukaitei_67.xlsx
7.
厚生労働省
2026-09-21確認。本人支援を5領域にまとめる説明が既にある。令和6年7月4日の通知で廃止
最終確認:2026.09.21

この記事の更新履歴

2026.09.21公開
執筆
徳永 崇志

徳永 崇志

就労継続支援B型事業所の運営者

埼玉県志木市で就労継続支援B型事業所「ぽちぽちの道」(事業所番号 1112200454)を運営しています。サービス管理責任者と一緒に働きながら、配置基準や減算の判断に日々向き合っています。

サビ管ラボでは、厚生労働省の告示・通知や都道府県の公式資料にあたって、制度と実務を整理しています。

著者について →
文例集

個別支援計画の文例集(B型・グループホーム・生活介護)

長期目標・短期目標・支援内容の文例を、成人系のサービス3種類ぶん集めています。そのまま写さずに使うための考え方も添えています。

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