サビ管とケアマネの違い
どっちが難しい?要件・試験・仕事で比較
サビ管とケアマネは、根拠になる法律が違います。サビ管は障害者総合支援法の事業所に置かれる職で、ケアマネは介護保険法の資格です。
いちばん大きな違いは試験です。ケアマネは実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了して登録を受けます。サビ管に試験はありません。実務経験と研修の修了で要件を満たします。
作る計画の範囲も違います。サビ管は自分の事業所の個別支援計画を作ります。ケアマネは複数の事業者のサービスをまとめた居宅サービス計画を作ります。
- 根拠になる法律
- サビ管=告示第544号/ケアマネ=介護保険法
- 試験
- サビ管=なし/ケアマネ=あり(第28回の合格率25.6%)
- 実務経験
- サビ管=5年・8年・3年+3年のどれか1つ/ケアマネ=通算5年以上
- 作る計画
- サビ管=個別支援計画(自分の事業所)/ケアマネ=居宅サービス計画(複数の事業者)
- 更新
- サビ管=5年度ごとの更新研修/ケアマネ=更新制の廃止が決定(施行日は未定)
目次
サビ管とケアマネは、どちらも利用者の計画を作る職種です。名前も役割も似て見えますが、根拠になる法律が別で、資格の取り方も担当する範囲も違います。ここでは告示・法令・厚生労働省の公表資料の原文から、2つの職種を同じ物差しで並べます。
サビ管とケアマネはどこが違うのか
違いは3つに集まります。根拠になる法律、試験があるかどうか、そして作る計画の範囲です。この3つを押さえると、残りはほとんど説明がつきます。
| 項目 | サービス管理責任者(サビ管) | 介護支援専門員(ケアマネ) |
|---|---|---|
| 根拠になる法律 | 障害者総合支援法要件は平成18年厚生労働省告示第544号 | 介護保険法定義は第7条第5項 |
| 支援する相手 | 障害福祉サービスの利用者 | 要介護者と要支援者 |
| 試験 | なし | あり介護支援専門員実務研修受講試験 |
| 必要な実務経験 | 5年/8年/3年+3年3つの経路のどれか1つ | 通算5年以上資格に基づく業務と相談援助の業務 |
| 作る計画 | 個別支援計画自分の事業所が提供するサービス | 居宅サービス計画複数の事業者が提供するサービス |
| 置かれる場所 | 生活介護、就労継続支援、共同生活援助などの障害福祉サービス事業所 | 居宅介護支援事業所、介護保険施設など |
| 配置の目安 | 利用者60人以下で1人以上共同生活援助は30人以下で1人以上 | 利用者44人ごとに1人要件を満たす事業所は49人ごとに1人 |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ/介護保険法第7条第5項・第8条第24項/指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第50条/指定居宅介護支援等基準(平成11年厚生省令第38号)第2条(いずれも2026-09-21確認) 原文 ↗
表の右の列は、介護保険法の世界の話です。ケアマネは法律に定義が置かれた資格で、都道府県知事の登録を受けます。サビ管は資格ではなく、事業所に置く職の要件です。
その差がいちばんはっきり出るのが試験があるかどうかです。次の節で順番に見ます。
なり方はどう違うのか
ケアマネは試験に合格して登録を受ける資格で、サビ管は実務経験と研修で満たす配置の要件です。ここが手続きの形をまるごと分けています。
ケアマネになる順番は4段階です。
- 省令で定める実務の経験を満たす
- 介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
- 介護支援専門員実務研修の課程を修了する
- 都道府県知事の登録を受け、介護支援専門員証の交付を申請する
実務の経験は、次の2つの期間を通算して5年以上と定められています。
- 医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士など22の資格に基づいて、その資格に係る業務に従事した期間
- 老人福祉施設などの従業者や、計画相談支援・障害児相談支援・生活困窮者自立相談支援事業などの従事者が、相談援助の業務に従事した期間
サビ管には、この試験も登録もありません。実務経験の3つの経路のどれか1つを満たしたうえで、基礎研修を受け、実践研修まで進めば配置できます。
| 段階 | サビ管 | ケアマネ |
|---|---|---|
| 実務経験 | 相談支援5年/直接支援8年/3年+3年 | 通算5年以上資格に基づく業務と相談援助の業務 |
| 試験 | なし | 介護支援専門員実務研修受講試験に合格 |
| 研修 | 基礎研修 → 実践研修実務経験の2年前から基礎研修を受けられる | 介護支援専門員実務研修試験に合格した人が受ける |
| 登録・証 | なし | 都道府県知事の登録と介護支援専門員証の交付 |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 イ(1)・イ(2)/介護保険法第69条の2第1項・第69条の7第1項/介護保険法施行規則第113条の2(2026-09-21確認) 原文 ↗
注意したいのは、資格の顔ぶれがほとんど重なっていることです。サビ管の告示が挙げる資格は23、ケアマネの規則が挙げる資格は22で、違いは公認心理師が入っているかどうかだけです。そして介護支援専門員そのものは、どちらの列挙にも入っていません。
どっちが難しいのか
どちらが難しいとは言い切れず、ケアマネは合格率2割から3割の試験、サビ管は年数と研修の順番が関門になります。関門の置かれている場所が違います。
ケアマネの試験は、厚生労働省が毎年の実施状況を公表しています。第28回は令和7年10月12日に行われ、受験者50,601人に対して合格者は12,961人でした。合格率は25.6%です。
| 回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第24回令和3年度 | 54,290人 | 12,662人 | 23.3% |
| 第25回令和4年度 | 54,406人 | 10,328人 | 19.0% |
| 第26回令和5年度 | 56,494人 | 11,844人 | 21.0% |
| 第27回令和6年度 | 53,699人 | 17,228人 | 32.1% |
| 第28回令和7年度 | 50,601人 | 12,961人 | 25.6% |
出典:厚生労働省 第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について「3.これまでの試験の合格者数等」(2026-09-21確認) 原文 ↗
合格率は回ごとに動きます。第1回から第28回までの合計は、受験者3,162,106人に対して合格者781,248人でした。いちばん低かったのは第21回(平成30年度)の10.1%です。
サビ管の側に、落ちる試験はありません。代わりに、実務経験の年数を満たすことと、研修に申し込めることが関門になります。研修の募集は都道府県ごとに年1回か2回しかなく、1回逃すと予定が1年ずれます。
研修の量も比べておきます。どちらの告示も時間数の下限を定めた表を持っています。
| 研修 | サビ管 | ケアマネ |
|---|---|---|
| 配置の前に受ける研修 | 基礎研修15時間 + 実践研修14.5時間ほかに相談支援従事者初任者研修(講義部分)11時間 | 実務研修87時間講義19時間と講義及び演習68時間の合計。ほかに時間数の定めがない実習がある |
| 定期的に受ける研修 | 更新研修13時間5年度ごと | 更新研修88時間2回目以降は免除科目があり32時間。5年ごと |
出典:厚生労働省 平成18年厚生労働省告示第544号 別表第一〜第四/厚生労働大臣が定める介護支援専門員等に係る研修の基準(平成18年厚生労働省告示第218号)第一号・第三号(科目ごとの時間数を編集部で合算。2026-09-21確認) 原文 ↗
時間数だけを見れば、ケアマネのほうがはるかに長くなります。一方でサビ管は、基礎研修を修了してから実践研修に進むまで、原則として通算2年の実務が必要です。比べているのは難しさの種類の違いであって、優劣ではありません。
どちらに進むかは、難易で選ぶものではありません。いま働いている事業所がどの法律の事業かで、必要な要件は自動的に決まります。
作る計画はどう違うのか
サビ管が作るのは自分の事業所の個別支援計画で、ケアマネが作るのは複数の事業者をまとめる居宅サービス計画です。計画の守備範囲が違います。
介護保険法は、居宅介護支援を「利用する指定居宅サービス等の種類及び内容、これを担当する者などを定めた計画を作成する」仕事と定義しています。作った計画にもとづいてサービスが確保されるよう、各事業者との連絡調整まで行います。
サビ管の個別支援計画は、自分の事業所が提供するサービスについての計画です。基準は、管理者がサビ管に計画の作成に関する業務を担当させるものとしています。
| 項目 | 個別支援計画(サビ管) | 居宅サービス計画(ケアマネ) |
|---|---|---|
| 計画が扱う範囲 | 自分の事業所が提供するサービス | 利用する指定居宅サービス等の種類・内容と、担当する者 |
| 会議 | 個別支援計画の作成に係る会議利用者とサービス提供に当たる担当者等を招集 | サービス担当者会議計画に位置づけた担当者を招集 |
| 同意 | 原案を説明し、文書により利用者の同意を得る | 原案を説明し、文書により利用者の同意を得る |
| 見直しの周期 | 少なくとも6か月に1回以上就労移行支援・自立訓練・自立生活援助は3か月 | 周期の定めなし要介護更新認定を受けたときなどにサービス担当者会議 |
| モニタリングの面接 | 定期的に面接頻度の定めはない | 少なくとも1か月に1回原則として居宅を訪問して面接 |
| 記録 | 定期的にモニタリングの結果を記録 | 少なくとも1か月に1回、モニタリングの結果を記録 |
出典:厚生労働省 指定障害福祉サービス基準(平成18年厚生労働省令第171号)第58条・第162条・第171条・第184条・第206条の20/指定居宅介護支援等基準(平成11年厚生省令第38号)第13条第13号〜第15号(2026-09-21確認) 原文 ↗
モニタリングの頻度は、ここがいちばんはっきり分かれるところです。ケアマネは原則として毎月、利用者の居宅を訪問して面接し、その結果を記録します。サビ管の基準は「定期的に利用者に面接すること」としか書いておらず、回数の定めがありません。
「障害福祉のケアマネ」はサビ管なのか
介護保険のケアマネと同じ位置にいるのは相談支援専門員であって、サビ管ではありません。ここは誤解の多いところです。
障害福祉で複数の事業所のサービスを束ねる計画は、サービス等利用計画といいます。作るのは、指定特定相談支援事業所に置かれる相談支援専門員です。基準は、管理者が相談支援専門員にサービス等利用計画の作成に関する業務を担当させるものとしています。
サービス等利用計画の中身も、ケアプランによく似ています。基準は、相談支援専門員が次のように動くことを定めています。
- 利用者の心身の状況・環境・日常生活全般の状況を評価し、課題を把握する
- 最も適切な福祉サービス等の組合せを検討し、計画案を作る
- サービス担当者会議を開き、担当者から専門的な見地の意見を求める
- 計画を利用者等と担当者に交付する
サビ管は、そのうしろで自分の事業所の計画を作る立場です。作った個別支援計画は、利用者と指定特定相談支援事業者等に交付することが定められています。ここで2つの計画がつながります。
なお、サビ管の側の基準には「サービス等利用計画」という言葉そのものが出てきません。2つの計画の関係は、個別支援計画を指定特定相談支援事業者等に交付するという形で書かれています。
ケアマネの経験はサビ管の実務経験になるか
居宅介護支援事業所などで相談支援の業務に従事した期間は、サビ管の実務経験に数えられます。告示が職場として名前を挙げているためです。
告示第544号は、相談支援の業務の職場を並べた箇所で、介護保険法の居宅介護支援事業と介護予防支援事業を挙げています。別の箇所では地域包括支援センターも挙げています。
ただし数えるのは職名ではなく、業務の中身です。告示が言う相談支援の業務は、日常生活の自立に関する相談に応じ、助言や指導その他の支援を行う業務です。どの期間が入るかは、実務経験証明書と都道府県の窓口で1件ずつ確かめることになります。
介護支援専門員という資格そのものは、3年+3年の経路には使えません。この経路で使える23の資格に、介護支援専門員は入っていないからです。ただし社会福祉士・介護福祉士・看護師などの資格を持っていれば、そちらで経路に乗せられます。
逆向きは、同じようには言えません。介護保険法施行規則が挙げているのは、老人福祉施設などの従業者と、計画相談支援・障害児相談支援などの従事者です。障害福祉サービス事業所のサビ管は、名指しされていません。「これらに準ずる事業」に当たるかどうかは、都道府県の窓口で確かめてください。
介護保険の分野から障害福祉に移ってきた人は、先に職歴の一覧を作っておくと窓口での話が早く進みます。並べるのは、事業所名、介護保険法上の事業の種類、職名、実際に担当していた業務、在籍期間の5つです。
「居宅介護支援事業所で介護支援専門員」とだけ書くより、担当していた業務まで書いてあるほうが確認が通りやすくなります。証明書は前の職場に書いてもらうものなので、要件に近づいてきた時点で依頼だけ済ませておくと安全です。
※これは制度上の必須要件ではなく、一次情報から導ける運用例です。
更新の仕組みはどう違うのか
どちらも5年の周期ですが、ケアマネの更新制は法改正で廃止が決まり、施行日を待っている状態です。2026年9月21日の時点では、まだ現行の仕組みが動いています。
現行のケアマネの仕組みはこうです。介護支援専門員証の有効期間は5年で、更新は申請によります。更新を受けようとする人は更新研修を受けなければなりません。
これを変えるのが、令和8年6月25日に公布された社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)です。公布の通知は、介護支援専門員証の有効期間を廃止するとともに、その交付または有効期間の更新を受けるために受講することとされている研修を廃止する、と書いています。
ただし施行日はまだ決まっていません。この部分の施行は、公布の日から起算して1年6か月を超えない範囲内で政令が定める日とされています。政令は2026年9月21日の時点で確認できませんでした。
廃止されるのは更新の仕組みであって、研修そのものではありません。厚生労働省の広報資料は、定期的な研修の受講は続けたうえで、一定期間のうちに分割して受けられる形にすると説明しています。事業者に対しても、従事するケアマネが研修を受けられるよう必要な措置を講ずる義務を課すとしています。
サビ管の更新研修に、同じ見直しは確認できませんでした。サビ管の期限は年度で数えます。実践研修を修了した日の属する年度の翌年度を初年度として、5年度ごとの各年度の末日までに更新研修を修了します。期限までに修了しなかった場合は基礎研修修了者とみなされ、実践研修を受け直すことになります。
次に読むもの
自分がどちらの要件に当たるかを確かめるなら、なり方の全体像から読んでください。
- サービス管理責任者になるには … 実務経験の3経路と研修の順番
- サビ管と管理者・サ責・ケアマネ・児発管の違い … 5職種を同じ物差しで並べた比較表
- 介護福祉士からサビ管になるには … 3年+3年の経路と最短年数
- サビ管研修の全体像 … 基礎研修から更新研修までの流れと申込み
よくある質問
実務経験証明書のテンプレートと書き方
実務経験証明書のひな形(Word・PDF)に、項目ごとの記入例と、退職した職場への依頼文例を添えています。
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